台東区議会 > 2010-02-15 >
平成22年第1回定例会−02月15日-03号

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  1. 台東区議会 2010-02-15
    平成22年第1回定例会−02月15日-03号


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    平成22年第1回定例会−02月15日-03号平成22年第1回定例会 平成22年第1回定例会 東京都台東区議会会議録(第4号) ●2月15日(月)                     (以下敬称略)  ───────────────────────────────────────── 出席議員(31名)      1番  石 川 義 弘          2番   森 喜美子      3番  石 塚   猛          4番  成 澤   敬      5番  君 塚 裕 史          6番  小 坂 義 久      7番  東   久仁子          8番  堀 越 秀 生      9番  秋 間   洋         10番  和 泉 浩 司     11番  太 田 雅 久         12番  鈴 木   茂     13番  水 島 道 徳         14番  河 野 純之佐     15番  小 菅 千保子         16番  池 田 清 江     17番  田 中 伸 宏         18番  橋 詰 高 志     20番  高 柳 良 夫         21番  実 川 利 隆     22番  青 柳 雅 之         23番  木 下 悦 希     24番  清 水 恒一郎         25番  杉 山 全 良     26番  杉 山 光 男         27番  茂 木 孝 孔
        28番  寺 井 康 芳         29番  田 口 治 喜     30番  伊 藤 萬太郎         31番  藤 平 一 雄     32番  木 村   肇 欠席議員 な し 欠  員(1名)     19番  ───────────────────────────────────────── 出席説明員  区長         吉 住   弘    副区長        神 子 雅 行  副区長        山 田 哲 也    教育長        野田沢 忠 治  企画財政部長     新 井 幸 久    総務部長       岩 ア 政 行  区民部長       柳   寛 次    文化産業観光部長   生 沼 正 篤  福祉部長       新 島 一 夫    健康部長        橋 郁 美  環境清掃部長     鈴 木 貴 徳    都市づくり部長    高 木 満 夫  教育委員会      和 田 人 志    監査事務局長     笹 田   繁  事務局次長  財政課長        蛛@正 治    区長・広報室長    内 田 健 一  総務課長       太 田 清 明  ───────────────────────────────────────── 区議会事務局  事務局長       矢 下   薫    事務局次長      川 崎 裕 明  議事調査係長     行 田 俊 男    議会担当係長     曲 山 裕 通  議会担当係長     小 松 修 司    書記         近 藤 裕 二  書記         田 中 美世子    書記         松 浦 和 子  書記         浅 見   晃  ───────────────────────────────────────── 議事日程 日程第 1 一般質問  ─────────────────────────────────────────           午後 1時01分 開議 ○議長(鈴木茂 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員については、会議規則第128条の規定により、      3 番 石 塚   猛 さん    4 番 成 澤   敬 さん  をご指名いたします。  ────────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(鈴木茂 さん) これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  28番寺井康芳さん。          (28番寺井康芳さん登壇)(拍手) ◆28番(寺井康芳 さん) 台東区議会自民党の寺井康芳でございます。自民党を代表して一般質問の機会を与えていただいた同志の皆さんに感謝いたします。  区長、教育長の明快なご答弁をよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  昭和30年に自由民主党結党以来、短期間の他党の政権はありましたが、第二次世界大戦後64年間、保守系、そして自民党政権、連立政権によって戦後の荒廃した日本を立て直し、高度経済成長を成し遂げ、世界経済第2位の経済大国に発展いたしました。これは、日本国民の勤勉さや能力も発展の大きな原因だと思いますが、自民党政権のかじ取りが間違っていなかったと確信しているところであります。  戦後、警察予備隊、その後自衛隊を創設し、日米安保条約を結び、世界各地で戦争状態、非常事態にある中で、唯一64年間、戦争皆無の文字どおり平和な国、日本をつくり上げてきたのであります。国連への資金拠出のみならず、世界各国の地雷撤去、PKOに基づくイラク・アフガニスタンへの自衛隊派遣、インド洋上での給油、ソマリア沖海賊対策等、多くの人的貢献も実施し、アメリカを初めとする世界各国から世界平和を求める日本の貢献に対して大きな評価を得ているのであります。  昨年8月の総選挙の結果、9月に鳩山内閣が発足いたしました。政治主導で「コンクリートから人へ」を旗印に掲げ、平成22年度予算編成に取り組まれました。マニフェストに基づき、政治主導型で、各省庁や官僚を動かして、自民・公明連立政権時の予算をシーリングにかけ、従来の予算から一定の予算の無駄遣いを減額した上で、マニフェストに掲げた子ども手当や暫定税率の廃止、高速道路の無料化等を盛り込むものと私は個人的に期待したのであります。しかし、官僚もしたたかで、従来の予算を積み上げ、予算要求を提出しようとした上で新規事業の上積みを図った結果、95兆円もの額に上り、政治ショーのような仕分け事業を実施しても結果的には92兆円強となり、一昨年10月からのアメリカの金融不安に始まった経済不況で、来年度の税収不足はだれでもわかり切っていたのであります。にもかかわらず、今年度予算に比較して5兆円もの増額となり、44兆円の国債発行を余儀なくされました。本来の事業仕分けを実施する場合、政治主導型でやろうとするならば、各省庁が全事業項目の費用対効果も踏まえた上で、専門官たちによるきめ細かい仕分け事業を全事業項目にわたってさせた上で、内閣が予算編成に取り組ませるように方向づけることを指導していくのが政治主導と言うのではないでしょうか。  八ッ場ダムの建設が中止されました。事業中止は、長年にわたり建設事業のために努力してきた、あるいは協力してきた多くの地元住民に対して裏切り行為であり、1都6県の水利、水の需要に関しても大きな不安を残したのであります。八ッ場ダムを中止するなら、なぜ小沢ダムと言われる胆沢ダムは中止されないのか、私は不思議でなりません。  普天間基地の問題ですが、これは日本の安全保障の上で大事な問題なので、自公連立政権での日米合意に基づいて、鳩山政権においても外交防衛問題のかなめですから、速やかに実施されるものと思っておりましたが、鳩山総理の発言が右顧左べんして、なかなか決定しないのが実情であります。  また、小沢幹事長土地購入資金等の政治とカネの問題も不起訴にはなったとはいえ、小沢幹事長ご自身が国会で国民が納得できる説明をするのが責務ではないでしょうか。鳩山政権に対して、国民は、わかりやすいオープンな政治、指導力、決断力に大きな期待を持って支持していると私は思っております。ぜひこれからも国家・国民のために頑張っていただきたいと思います。  なぜ私がこのような発言をさせていただいたか、それは、台東区政に対して直接関係してくる国庫負担金国庫補助金などが、政権交代によって重点課題に対する予算配分がどのようになっていくのか、また、後期高齢者医療制度障害者自立支援法等の問題はどうなっていくのか、さまざまな懸念が浮かんでくるからであります。  以上、発言をさせていただきましたが、台東区議会は区民生活を守り向上させていくために、各会派が協力して議会運営を行い、台東区行政運営を監視しながら、安心・安全の台東区、さらに夢のある楽しめる台東区を創造していきたいとこいねがうものであります。私の発言について区長の感想をお伺いしたいのですが、よろしくお願いいたします。  それでは、具体的質問に入らせていただきます。  財政状況についてお尋ねいたします。  区当局は、平成22年度予算案の概要の「予算編成の基本的考え方」の中で、区の財政状況は、主要な歳入である特別区交付金が平成21年度に続き減収となるとともに、特別区税も平成17年度以来5年ぶりに減収となっています。一方、生活保護費が区職員の総人件費を上回るほどの増加に加え、進展する少子高齢化への対応、区有施設の維持、保全など、増大するさまざまな財政需要を抱えており、今後もさらに厳しさが続くものと予測しておりますと表現しておりますが、特別区交付金の減額、特別区税の個人所得分減収の現実が、まさに今日の深刻な景気動向を如実にあらわしております。  具体的に平成22年度予算を見ると、一見7億円の増となっています。しかし、歳出予算887億円の内訳を見ると、この中には子ども手当の創設にかかわる経費15億円があります。この縛りのかかった予算を除くと、区の歳出規模は872億円となります。いろいろな見方があると思いますが、区の実質的な予算は8億円の減となると言えるかと思います。  一方、歳入予算の見込みは、特別区民税が179億円で、21年度比較7億円の減、特別区交付金が289億円で19億円の減、地方譲与税など43億円で7億円の減、国及び都支出金241億円で41億円の増、使用料及び手数料が32億円で1億円の減、繰越金が10億円で増減なし、ここまでの合計は、基金の取り崩しを除くと856億円となります。そして、ここから子ども手当創設に係る国からの交付金15億円を除くと841億円となります。  素直に予算書を見ると、この歳出と歳入の差額31億円が財源不足額であり、基金を投入せざるを得なかった額であると考えられます。しかし実際には、平成22年度予算では、前年度に比べ、まず、歳出で事務事業の見直しで、対象事業31事業2億5,100万円、人件費の見直し、職員数の適正化などで9億8,400万円、管理的経費の見直しは、委託業務の見直しと旅費、需用費などの節減で5億3,500万円、合計17億7,000万円の見直しを余儀なくされたのであります。さらに歳入確保として、道路占用料の改定などで1億6,800万円、つまり歳出と歳入で19億3,800万円を確保したわけであります。先ほど申し上げましたとおり、一見平成22年度の財源不足額基金投入額の31億円に見えますが、実はこの31億円に19億3,800万円を加えた約50億円が本当の財源不足だったという考え方もあるのではないかと私は思います。  平成21年度予算も同じ見方をすれば、基金投入額29億円に事務事業の見直しなど約7億円を加えた36億円が本当の財源不足額だったと言えます。こうした見方をした場合、平成22年度は前年度に比べ財源不足額が増額となっているのではないでしょうか、お答えをいただきたいと思います。  平成22年度の予算について質問させていただきましたが、区長の23年度以降の3年、5年先の財政について、短期的将来の見通しについてですが、ご所見をお聞かせください。  平成11年度末に財政健全推進計画が策定されました。平成9年、10年、11年ごろも長引く景気の低迷の中で、自治体財政も厳しい状況が続いておりました。計画策定の理由として、「平成11年度の時点で特別区税は減少傾向が続いており、また、歳出は、生活保護費老人保護費の伸びなどにより義務的経費が増加し、基金は年々減少し、区債の残高は増加していたため、このままでは将来にわたって健全な財政を維持し、区民福祉の向上を図っていくことが困難な状況と判断し、財政健全推進計画を策定しました」とありました。  この計画は、平成12年度から平成16年度までの5カ年計画で実施されました。計画実施によって、平成12年度基金残高287億円、特別区債残高560億円が、平成16年度末で基金残高235億円、特別区債残高463億円となりました。財政健全推進計画実施によって計画目標は達成できたとされておりますが、16年度末時点でも基金残高は減少し、特別区債残高がはるかにオーバーしていたのであります。したがって、平成17年度以降も効率的な財政運営が必要とされ、財政健全推進計画の成果を引き継ぎ、行政経営推進プランが策定されたのであります。  このプランは平成19年度まで実施され、施策事務事業の見直し、健全な財務の推進、組織・定員の適正化、職員の育成、パートナーシップなど35の取り組みを計画し、区民生活の向上を維持しつつ、行政経営推進プランの実施によって平成19年度末基金残高318億円、特別区債残高355億円となり、基金と区債残高のバランスがマイナス38億円まで縮減されたのであります。20年度以降も当局のご努力の結果、21年度末予定で基金残高348億円、特別区債337億円となり、ようやく基金が11億円上回ると予想されるまで財政が回復されました。  しかし、この結果を安心できるのはつかの間で、先ほど平成22年度予算の質問でも述べましたが、3年、5年先までの日本経済の不透明な状況から脱却できない状態が続くと予想するならば、平成23年度以降の予算編成、財政状況に、行政も議会も常に危機感を持って取り組んでいかなければならないと思います。  よって私は、早急に過去の計画成功を踏まえた上で、より強力な財政管理、事務事業の見直し等、行政運営の対策プロジェクトチームを立ち上げ、区民の将来に対する不安を払拭していただきたいと思いますが、区長のご所見をお聞かせください。  次に、子育て支援について質問させていただきます。  2005年9月にNPO認証を受けたNPO法人エガリテ大手前によって、昨年5月に2008年度第4回次世代育成環境ランキングが発表されました。目的は、自治体間の次世代育成環境行政の姿勢に違いが見られることや、次世代育成支援対策推進法によって提出が義務づけられた行動計画についても取り組みに差があると思われるので、市民による健全な監視役として各都市の環境評価を行うことで自治体の動機づけとなるとともに、一般市民の意識向上に寄与したいと考えたものとあります。  このNPO法人のメンバーは主婦やサラリーマン、弁護士、大学教員、医師など幅広い階層からの参加を得ております。調査対象は、東京23区及び全国の政令指定都市と中核市の51都市であります。調査項目は「出産環境」「保育環境」「児童福祉」「幼児保育」「児童保育」「小児医療」の6項目と「ハードウエア」「ソフトウエア」であります。  23区の中では、千代田区が3項目で1位、そしてハードウエアで1位で、総合1位となっております。我が台東区は、小児医療で1位、幼児保育で4位、ソフトウエア2位、ハードウエア4位で、総合は23区中4位となっておりますが、出産環境15位、保育環境12位、児童福祉15位、児童保育においては20位で、まだまだ研究・努力が必要なのではないでしょうか、教育長のご所見をお伺いいたします。  保育園新設要望については後ほど石塚議員が質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  次の質問は、私のライフワークであります区立小・中学校の土曜日の授業実施についてであります。  本年1月14日付で、東京都教育委員会教育長名で各区市町村に通知が出されました。通知によりますと、基本的な考え方として、「新学習指導要領の全面実施に向け、確かな学力向上や家庭・地域との連携・協力が一層求められている中、土曜日に教育課程に位置づけられた授業の実施を希望する学校においては、学校週5日制の趣旨を踏まえつつ、保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進める観点から実施できるものとする。なお、実施に当たっては、校内の指導体制を確立するとともに、域内の保護者及び地域住民等に対して趣旨説明を行うなど、十分な理解を得ることを前提とする」とあります。内容として、(1)確かな学力の定着を図る授業の公開、(2)道徳授業地区公開講座セーフティ教室、(3)保護者や地域住民等をゲストティーチャーに招いての授業の3項目が示されております。  平成14年度から小・中学校の完全土曜日休業が実施されました。その後の世界6カ国の小学校、中学校の学力検査で日本が低位になったとの報道がされたことについては、以前にも私が何回も質問の中で述べたとおりであります。土曜日休業が始まってスケジュールが過密になり、文化祭や運動会など学校行事の活動や教育指導などの時間帯確保が難しくなったほか、子どもたちの学力低下への懸念も当時からあって、土曜活用の声が高まっていたのであります。現在、11区12市で夏休み、冬休みを短縮し、授業時間を確保しております。  私は、今回の東京都教育委員会の通知は、土曜授業実施への方向転換と受けとめております。長年の私たちの提案が実を結んだものと高く評価するところであります。現在は、台東区立小・中学校それぞれ土曜授業、土曜スクール、学校ごとで実施にばらつきがあるようなので、平成22年度からは教育委員会で土曜日授業に向けて検討していただいて、全小・中学校で同様の授業を実施する方針を打ち出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。教育長の積極的答弁をお願いいたします。  また、今回の東京都教育委員会の方針に対しての文部科学省の見解は確認をしているか、お答えください。  春、夏、冬休み以外の全土曜日が休業日となることによって、年間授業時数の削減は物理的に明白であり、カリキュラム消化が困難になり、児童・生徒の学力低下の懸念は当初からあったにもかかわらず、東京都教育委員会が8年間も時間を費やしてやっと気がついたのかという思いでいっぱいです。  学力低下は教育力の低下で、やがては日本の国力の低下につながっていくのではないでしょうか。1カ月2回土曜授業実施については、私は了といたします。中学校、小学校で試行してきましたが、現時点で成果があらわれているか、問題はないかお答えください。  さらに、将来的には毎週土曜日授業復活について教育長にご努力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか、ぜひ前向きなご答弁をいただきたいと思います。  産業振興プラン策定のための実態調査についてお伺いいたします。  一昨年のリーマンショックに端を発した世界的な経済危機はいまだに尾を引き、政権交代の行われた我が国においても、日本航空が戦後4番目、事業会社としては戦後最大の規模で破綻するなど、景気低迷が長引き、二番底の危機とも言われている状況にあります。これまでも区長はこうした状況にいち早く対応し、緊急経営安定化資金の貸し付けを初めとする中小企業支援や台東区共通商品券事業などの地域経済対策を実施していることは、大変評価するところであります。しかしながら、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しく、なかなか光明を見出せない状況にあるのは言うまでもありません。  本区の産業は、皮革関連産業や伝統工芸を初めとした製造業、卸、小売業、上野・浅草に代表される観光地に結びついたサービス業等、多種多様な産業が集まり、まちに活力をもたらしてきました。すなわち、本区の中小企業が活性化することが、区長の掲げる「にぎわい いきいき したまち台東」につながるのであります。そのためには、明確なビジョンのもと、区の産業振興、中小企業支援策をより具体的に示し、効果的に事業を実施していくことが重要であると私は考えております。  区長は、来年度予算の中で、産業振興プランの策定に向けて実態調査を実施すると所信表明で述べられました。本区の中小企業が抱える課題や区の施策に対する要望等の実施を的確に把握することは、明確なプランの策定のためには大変重要であると考えますが、実際にどのような調査を行うのでしょうか。また、それらの実態調査を踏まえ、どのようなプランとしていくのでしょうか、今後のスケジュールも含めて区長のご所見をお伺いいたします。  私の最後の質問は、谷中防災コミュニティ施設についてであります。  22年度予算案に707万円の整備費が計上されました。また、区長所信表明でもご発言がありました。区長初め、行政が本気で取り組む態勢に入ったことについて高く評価をさせていただきたいと思います。初音の森広場と防災センター建設で、木造密集地域に居住する谷中地域住民にとって、精神的にもかなりの不安が取り除かれることになると思います。センター及び広場を利用して防災訓練や情報発信が行われ、地域住民の防災意識を高め、災害がなければこれにこしたことはありませんが、救助訓練等も行い、いざ災害発生のときにも備えていただきたいと思います。  コミュニティセンター開設は昭和54年4月で、ほぼ31年経過しております。今日まで文字どおりコミュニティ活動に大きな役割を果たしてきたと思います。しかし、谷中こどもクラブは90.37平米で定員40名のところ1月現在47名で、3年生は抜けますが、4月入会申請者数は62名で、待機児童が必ず発生してしまいます。また、児童館機能として2階に谷中キッズ広場が設置されていますが、延べ214.4平米の面積で、年間2万5,000人の利用があります。これに対して、利用者がほぼ同数の玉姫児童館は面積が倍以上の470平米あります。申し述べましたように、こどもクラブ児童館機能も大変手狭であります。子どもたちの教育、健全な育成のためにも、快適な空間を建設するのは行政の急務ではないでしょうか。谷中防災コミュニティセンター建設について早期着工を強く要望いたしますが、区長のご答弁をお願いして私の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 寺井議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、新政権についてでございます。  国の新たな政策につきましては、新政策対応本部会議を設置し、対応に努めておりますが、議員ご指摘のとおり、今後も国の動向により区政にさまざまな影響が及ぶことも想定されます。そのため、引き続き国の政策の変化などに機敏に対応できるよう注視していく必要があると認識いたしております。  しかしながら、私はこうした国の動きにかかわらず、基礎的自治体の長として区民の皆様の生活を守る責務がございます。今後も常に区民の皆様の視点に立ち、その声に耳を傾けながら、基本構想に掲げる将来像の実現に向け、区議会の皆様と一緒になって引き続き取り組んでまいる所存でございます。今、寺井議員の思いを拝聴し、私も改めてその意を強くしたところでございます。  ご質問の第2は、財政についてでございます。  まず、財源不足額についてでございます。  平成22年度予算編成に当たり、当初、歳入の大幅な減収が見込まれる中で、相当大きな財源不足額が発生する可能性がございました。このため私は、予算編成方針会議において、全部長に対して、これまで以上に汗を流し、知恵を絞って、よりよい施策を生み出すよう指示いたしました。また、11月には予算要求の再提出も指示するなど、全庁挙げて人件費、事務事業の見直しや管理的経費の節減を徹底し、歳出経費を削減する一方、財産収入や事業に見合う歳入の確保に努めました。こうした努力の積み重ねにより必要な財源を確保した結果、厳しい財政状況にあっても、長期総合計画後期計画の着実な実行と、区民の皆様が安心して生活できる予算を編成することができたと認識いたしております。  しかしながら、平成22年度予算におきましては、前年度より2億円多い31億円の基金の取り崩しを計上せざるを得ませんでした。また、議員ご指摘のとおり、仮に前年度を上回る事務事業の見直しなどを行わなかった場合には、さらに多くの基金の取り崩しが必要となります。財源不足額についてはさまざまなとらえ方がございますが、ご指摘の点につきましては、今後の財政運営に当たり、十分に留意していかなければならないと私も強く認識いたしております。
     次に、財政見通しにつきましては、今後も厳しい財政状況がさらに続くことを前提に、本定例会でご報告いたします長期総合計画後期計画において、平成22年度から5年間の推計を行っております。具体的には、計画期間中に必要な歳出は約4,693億円と見込まれる一方、歳入は、基金と起債を除くと約4,398億円が見込まれます。歳出と歳入の差し引き約295億円は特別区債の発行と基金の取り崩しで対応することで収支の均衡を保つことが可能となりますが、引き続き予断を許さない状況にあると認識いたしております。  次に、今後の行政運営に関する対策についてでございます。  ただいま申し上げました財政収支の推計に加え、先行き不透明な社会経済情勢を踏まえると、議員ご指摘のとおり、区民の皆様が安心して生活を送ることができるよう、今後も健全な財政運営の維持に努めていく必要がございます。  そこで私は、早期に新たな行政経営推進プランの策定に着手いたします。策定に当たりましては、現プランの取り組み内容を検証するとともに、可能なものにつきましては、プラン全体の策定を待たず、先行して実施できるよう早急に検討してまいりたいと考えております。  私は、この新たなプランによって行財政基盤をより強固なものとし、長期総合計画後期計画の着実な実行と区民生活の将来を見据えた施策の展開を図ってまいります。  ご質問の第3は、子育て支援についてでございます。子育ての総合的なご質問でございますので、私からお答えさせていただきます。  私は、「子育てするなら台東区」を標榜し、次世代育成支援地域行動計画の中で、全国に先駆けた中学3年生までの医療費無料化を初め、認定こども園の開設、育児支援ヘルパー派遣など、さまざまな施策を進めてまいりました。その結果、国内の15歳未満の児童人口が減少する中で、当区の児童人口はこの5年間で665人増加いたしております。  後期計画におきましては、「安心して子どもを生み育てられる環境を整備する」、「子どもの健全な成長の場を提供する」、「子育て家庭のニーズに合わせて支援する」、「子どもが安全に育つ環境をつくる」という4つの基本目標を設定し、待機児童ゼロを目指す等、総合的に施策を策定いたしております。  平成22年度からは、多様な保育ニーズへの対応事業としての子どもショートステイ・トワイライトステイ、学齢期の放課後支援事業としてのこどもクラブの増設、就学前教育の充実事業としての幼児教育共通カリキュラムの作成などを実施してまいります。  今後も、子どもたちの笑顔にあふれ、にぎわいと活力のまち・たいとうを目指して計画を着実に推進してまいります。  ご質問の第5は、産業振興プラン策定のための実態調査についてでございます。  議員ご指摘のとおり、長引く景気低迷により、中小企業の業況や雇用情勢のさらなる悪化、デフレの影響、消費の低迷など、本区の地域経済は依然として厳しい状況にあると認識いたしております。私は、こうした厳しい経済状況にあるからこそ、明確なビジョンを示し、区内産業の活性化を図ることが何より重要であると考えております。  そこで、区の産業を担う企業の役割や、支援する行政の対応などを検討し、今後、取り組む施策の方向性を示す(仮称)台東区産業振興プランを策定してまいります。  プランの策定に当たりましては、実態調査による現況の把握が重要でございます。そのため、早急に関係部署による庁内体制を整備した上で、各種統計や景況調査などの分析のほか、事業者に対するアンケート調査やヒアリング調査などを実施し、実態の把握・課題の整理を行ってまいります。  プランの内容につきましては、そういった実態調査の結果を踏まえ、課題を解決するための施策の方向性を示し、具体的な事業を明示してまいります。  また、今後のスケジュールにつきましては、年内に実態調査を終え、できる限り早くプランの策定に着手してまいります。  ご質問の第6は、(仮称)谷中防災コミュニティ施設の建設についてでございます。  この施設につきましては、これまで谷中地域の住民に対するアンケートを初め、谷中地域の防災性向上及び谷中コミュニティセンターの防災機能に関する調査を行ってきたところでございます。その結果を踏まえ、防災意識のさらなる普及啓発を図るとともに、拠点備蓄や災害対策地区本部としての情報通信設備の整備など、平常時及び災害時における防災拠点としての機能を整備していく必要があると考えております。  平成22年度は、行政と住民代表による基本計画検討委員会を立ち上げ、基本計画案を作成してまいります。基本計画策定後は、基本設計、実施設計などを経て、建設の早期着工に努力してまいります。  次に、谷中こどもクラブ児童館機能施設につきましては、谷中地域での子育て支援や児童・生徒の健全育成が図れますよう、基本計画を策定する中で検討してまいります。  その他のご質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 寺井議員の土曜日授業の実施についてのご質問にお答えをさせていただきます。  台東区におきましては、平成15年度より土曜スクールを実施し、土曜学校公開日を平成20年度より中学校、平成21年度より小学校全校において実施いたしております。土曜授業につきましては、休日の土曜日を必ずしも有効に生かしていない児童・生徒も少なくないことから、学力向上などを期待するとともに、平日は仕事などでなかなか学校に来られない保護者や地域の方々に対して学校を公開するという趣旨で実施をいたしているところでございます。  まず、土曜授業を全小・中学校で同様にというご質問にお答えをさせていただきます。  現状は、土曜スクールと土曜学校公開日を合わせて10回から15回の範囲で各学校に取り組んでいただいており、確かに実施回数に差がございます。これは、地域や学校によっては、子どもたちが土曜日を地域のスポーツや社会体験・自然体験などに有効に活用している場合もありますので、現在、区としては、実施回数は学校長の判断としているものでございます。また、このたびの東京都の方針も同様の趣旨でございます。  しかしながら、授業時数の確保は大変重要であると考えておりますので、今後、各学校の子どもたちの実態や保護者の意向などとともに東京都の方針の趣旨も確認をしながら、ご質問の方向についても検討してまいりたいと考えております。  次は、文部科学省の見解についてのご質問でございます。  東京都教育委員会からは、今回の方針について文部科学省の鈴木寛副大臣も肯定的な見解を示しているという説明を受けたところでございます。  次に、土曜日に授業を実施してきたことによる成果及び問題点についてでございます。  まず、土曜日に正規の授業を実施したことで、任意参加の土曜スクールではなかなか参加してくれなかった児童・生徒も含めて、すべての児童・生徒に指導する時間が確保できたことであります。地域や保護者からも好評をいただいております。また、平日だけでは窮屈であった授業時数の確保がしやすくなったということもございます。実際にすべての学校で標準時数を相当程度上回った授業時数が確保できております。  実施からいまだ日が浅いため、目に見える形で直接的な成果は出てきてはおりませんが、授業時数に余裕ができて、子どもたちにじっくりと考える時間を与えられることは、学力などの向上に確実に成果があらわれてくると確信をいたしております。  問題点といたしましては、当初、地域での活動への影響や部活動などにおける大会や行事への参加による出欠の扱いについて懸念の声が一部ございましたが、実施後は特に問題は上がってきておりません。  最後のご質問は、毎週土曜日授業の復活についてでございます。  次代を担う子どもたちには、何としても自立した社会人として、たくましく生きていくことのできる力をはぐくんでいかねばなりません。そのためには、学力を養い、体力を鍛え、心を陶冶していく授業時数の確保が必要であります。  今後とも、地域や子どもの実態なども踏まえながら、鋭意検討・努力を続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 4番成澤敬さん。          (4番成澤 敬さん登壇)(拍手) ◆4番(成澤敬 さん) 区民クラブの成澤敬でございます。会派を代表して一般質問をさせていただきます。  まず初めに、台東区男女平等推進行動計画(はばたきプラン21)計画改定に当たって3点質問いたします。  私は、昨年の予算特別委員会におきましてもこの計画について質問いたしました。と申しますのも、男女平等と名づけられてはいるものの、本計画には老若男女すべての人間の生きる権利についてが込められていると考えるからであります。それゆえ、目当てや目標を総花的に掲げ、形式的に計画を策定するのではなく、全力で取り組んでいただきたいと願うのであります。  昨年は父子家庭に対する行政支援を要望いたし、区長からも前向きなご答弁をいただきました。これまで母子家庭にのみ支給されていた児童扶養手当や生活資金・就学支度資金・就学資金の貸し付けについても、新政府において児童扶養手当が父子家庭にも支給されることとなり、今後さらなる充実が見込まれることと思います。  また、週刊東洋経済誌において「子ども格差―このままでは日本の未来が危ない」という特集を組み、そこでは日本の子育て世帯における所得再分配効果の希薄さ、貧困率の高さ、OECD加盟25カ国中9位に位置する日本の子どもの貧困率の高さ、トルコに次いで2位に位置するひとり親世帯の子どもの貧困率の高さを示し、日本が子ども貧困大国であることや、親の経済力や居住地域によってあらわれる子どもにかかわる具体的な貧困・格差の実態が示されました。その他、週刊ダイヤモンド誌で「格差世襲―下流の子は下流」や「あなたの知らない貧困」という特集が組まれ、NHKでも「お金がないと学べない」という番組が放映されるなど、子どもの貧困がジャーナリズムでもクローズアップされるところであります。  私自身も保護者の方々や先生方となるべく多くの対話の機会を持ち、子どもたちを取り巻く現状、家庭の状況の把握に努めております。先日も、とある教諭とお話をいたしましたが、これまで問題視されてきた、朝ご飯を食べてこないで授業に集中できないという子どもがいることはこれまでと変わらず、それどころか、1日の栄養を学校給食でしかとれていない、また、清潔な衣類を着てこられない、そんな子がいるのも現実なのであります。  さらに深刻であるのは、今やひとり親家庭ではなく、両親がいても、社会情勢や経済的困窮などの理由で養育困難家庭がふえていることなのであります。母子・父子家庭という保護者の状況に対しての支援という考え方から、保護者の抱えるさまざまな問題により、健全な成長が脅かされている子どもに対する支援ととらえていかなければなりません。  ことし1月には、江戸川区において小学1年生の児童が虐待死するという痛ましい事件が発生いたしました。継父により虐待を受け、実の母親もとめ切れずに加担すらしていた。警察の事情聴取に対して、自分は虐待は受けていないと言ったという7歳の少年を思うと、余りにも哀れで涙を禁じ得ません。  要保護児童に対しては、問題が大きくならないうちに迅速な対応が必要不可欠であり、行政と学校、隣近所との連携と適切な処置が不可欠です。区としてはどのような支援を考え、どのような対策をとっているのでしょうか、区長の所見を伺います。  次に、ワーク・ライフ・バランスについて質問いたします。  現代社会において、ワーク・ライフ・バランスの実現が家庭生活の充実や経済・企業の発展に大変重要な要素であることは言うを待たず、その理念に異を唱える方はいないと思います。ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と子育てや親の介護、地域活動等の仕事以外の生活との調和がとれ、その両方が充実している状態のことであります。私ども議員や行政で働いている皆さんには耳になじんでいるこの言葉も、一般的にどの程度膾炙し、その定義がどのくらい理解されているのかといいますと、非常に心もとない現実と言えます。地元の中小企業の経営者の方々に伺っても、なかなか十分にご理解いただいていないようです。私自身も民主党の主催する研修会などになるべく参加するようにし、理解を深めるべく努力をしておりますが、なかなか皆さんにわかりやすくご説明するのは難しいと感じておりますので、このたびの計画改定に当たり、ワーク・ライフ・バランスに関する情報の収集と提供事業が充実事業と区分されたことは評価いたしたいと思います。また、女性の再就職・チャレンジ支援施策の中で障害者の就労支援の充実事業も充実事業区分となり、一層の取り組みを期待いたします。  さて、東京都では昨年度、ワーク・ライフ・バランスの実践プログラムを策定いたしました。プログラムの策定に当たり、多くの企業からのヒアリングを行い、長時間労働の削減のために、結婚記念日や家族の記念日に有給休暇の取得を呼びかけている事例や、出産や育児休業を予定している女性に継続的な就業を支援する事例などが展開されているとの報告が、昨年の都議会文教委員会においてありました。ただしかし、これらの取り組みは大企業だからできるものが多いのではないでしょうか。圧倒的に中小企業の多い本区にとっては、実践していくには非常に厳しい部分があると思われます。区内中小企業がワーク・ライフ・バランスを実現していくため、区としてはどのような取り組み・支援を行っているのか、現在の状況を区長に伺います。  3点目は、孤独死の増加への対策についてであります。  区長はこのたびの所信表明において、進展する少子高齢化への財政需要について言及なさっております。高齢率が高く、ひとり暮らしのお年寄りが多い我が区においても、国にとっても、孤独死の増加は社会問題となっております。  ごらんになった方もいらっしゃると思いますが、先般放送されたNHKスペシャルを見て私は愕然といたしました。「縁のない死」と書いて無縁死という言葉を知ったのですが、NHKが全国1,783の自治体にアンケート調査をしたところ、引き取り手がなく、自治体によって火葬・埋葬された人の数が平成20年に全国で3万2,000人に上ったそうです。偶然とはいえ、もしかすると何らかの部分で因果関係があるのかどうか、年間の自殺者数とほぼ同じくらいのこの数は、非常に驚くべき数字であります。この中の1,000人の方が行旅死亡人と言われる、警察でも自治体でも身元がつかめなかった身元不明者で、残りのほとんどの方は、家族・親族がいるにもかかわらず引き取られないケースなのであります。当然単身者の方が多く、特に地方出身の単身者が多いそうであります。衰退が進んだ地方都市を捨てて都会へ出たまま、両親の死後は家族や親族とも音信不通になり、故郷に戻れない、戻らない、そんな人たちが急増しているのです。  自治体などの依頼で家族にかわって遺品などの整理をする特殊清掃業者がここ数年で30社余りに上っているとのこと。家族にかわって死亡した後の手続を行うNPOが相次いで設立され、頼れる家族のいない人々がこれらのNPOの窓口に殺到するなど、将来拡大する兆しもあらわれております。  この問題の背景には、リストラ、非正規雇用の増加、熟年離婚の増加、団塊世代の大量退職、親の介護や仕事に追われて独身のまま一生を通す生涯未婚者の急増など、さまざまな要因が上げられています。20年後の2030年には、推計で女性の4人に1人、男性の3人に1人が生涯未婚者になると見られております。薄れる家族とのつながり、仕事上だけで築いた人間関係が退社した途端になくなって社会との接点をも失ってしまう。まさにこの「はばたきプラン21」を推進し、つながりを、きずなを失った無縁社会の広がりを食いとめていかなければならないのであります。  私自身も一昨年に孤独死の発見に遭遇し、立ち会った経験がございます。考えている以上に身近な問題であるということを痛感いたしました。  そこで区長に伺います。確実にふえると思われるこの孤独死の問題についてどうお考えになり、どのような対策をとっているのでしょうか、お答えください。  2項目めは観光施策について3点質問いたします。  1点目は、宿泊・滞在型観光客誘致に向けてでございます。  私ごとで恐縮ですが、私は以前、舞台やイベント、ビデオのプロデューサーをしておりました。携わった仕事の中で、大変感心したことがございました。皆さんもご存じの東京ディズニーランドのプロモーションビデオの制作でございます。ディズニーランドではいろいろなビデオを制作しています。シーズンごとにテレビで流すコマーシャルやバラエティー番組などで流すビデオ、新しいアトラクションができるときの紹介ビデオなど、同時に別の会社の撮影クルーが3社くらい働いていることもありました。私が担当いたしましたのは、中学校の修学旅行招致のためのプロモーションビデオでした。もちろんテーマやシナリオもその意図に沿って描かれ、ビデオを制作し、全国の中学校に送付してプレゼンテーションをするのであります。あれだけ人気があり集客力のある施設にもかかわらず、それだけの企業努力を続ける姿勢、だからこそ長年にわたり人気を維持できるのだと思います。  区長も所信で新観光ビジョンを観光施策の柱に据え、観光立区の実現を目指すと表明しておられます。観光の持続的発展という新観光ビジョンの理念のもとに、来街者の宿泊や滞留時間をふやすには、さまざまな角度から企画や観光コースをつくり、旅行業者、民間業者、文化観光施設、マスメディアなどと連携し、積極的かつ戦略的なプロモーションを展開することが必要であります。  先日、深夜番組で視聴者から寄せられたドライブコースを若い女性が投票し、行ってみたい順にランクづけをするという企画を見たのですが、我が区でも区民の皆さんや職員の皆さんから募集したらいかがでしょうか。また、墨田区とも連携を図り、東京スカイツリーの開業に向けて双方の利益となる観光を創出していくべきであります。  修学旅行の生徒さんが夕食後でもそぞろ歩けるような安全なまちづくり、定年後のご夫婦が1泊して2日間滞在して遊んでくださるような魅力のあるまちづくり、多角的に我が区の魅力を発見し、全国に発信していかなければならないのであります。来街者の宿泊や滞留時間をふやすための今後の取り組みについて、区長の所見を伺います。  次に、1冊の小説を紹介させていただきたいと思います。小川糸さんという作家の「喋々喃々」という小説であります。小川さんは、現在、封切られている柴咲コウ主演の「食堂かたつむり」という映画の原作者で、原作は60万部を突破した、現在、若い女性を中心に人気のある新進の作家であります。この「喋々喃々」という作品は、我が区の谷中でアンティークの着物屋を営んでいる女性を主人公として、その人間模様が描かれている作品であります。文芸作品としてもすばらしい小説なのですが、この主人公や登場人物の行動は、ほとんど文京区・台東区・荒川区で行われて、それが細かく描写されているので、まさにガイドブック的な作品になっております。ヒマラヤスギやみかどパンの話をしたり、主人公がタクシーに乗って千束通りのマツキヨの前でおりてもつ焼きを食べに行くとか、お酉様の帰りに馬肉を食べる、また、朝倉彫塑館を訪ねる、そんなシチュエーションでいっぱいの作品です。我が区の皆さんの必読書になるのではないかと思ってご紹介いたしました。  60万人の読者がこの本を片手に台東区を訪れてくださるかもしれないのです。また、この作品が映画化されるのであれば、それこそフィルム・コミッションの出番です。恐らく職員の中でも読んでいらっしゃる方、特に女性には多いのではないでしょうか。ぜひ一丸となってアンテナを張りめぐらし、たくさんの情報を収集して台東区の発展に結びつきそうなものを見つけ、それを活用させていただこうではありませんか。そんな思いでご紹介させていただきました。  さて、来街者の宿泊や滞留を促進する面でも、したまちコメディ映画祭やしたまち演劇祭は、魅力と可能性を秘めたツールであると思います。けれども、既に2回開催されたしたまちコメディ映画祭では、各イベントごとに集客のばらつきが見られました。ケーブルテレビやパーフェクTVが普及している今、何度も放映されているような作品に、幾ら特集を組んで上映する意義をつけてみても、1本立てで1,000円の料金を払って見てくださる方は余りおりません。ただ、それがトークショーであれば人は集まりました。また、声優さんたちを集めた企画はチケットが完売し、買えなかった方からは苦情もいただきました。まだまだ次回に向けて企画内容の工夫や充実を図るべきであり、会場や上映回数など運営面でも的確な選定が必要だと考えますが、いかがでしょうか。  また、開催が予定されているしたまち演劇祭は、先日2月1日に実行委員会が立ち上がり、我が区に本拠地のある劇団「円」の代表で、舞台・映画・テレビで活躍なさっている名優、橋爪功さんに委員長をお引き受けいただいたことは大変よかったことであると思います。ただ、本番までの期間が余りにも短いと言わざるを得ません。演劇祭を開催する意義は意義として、1回目は試行としても、今後の集客・宿泊につながるように進めていかなければならないと考えます。演劇祭の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。  平山先生のご逝去に当たり、先日の代表質問の答弁で区長のご所見を伺いました。まさに巨星落つ。芸術家として全国に多くのファンをお持ちになり、世界遺産の保存にご尽力をなさり、我が区の文化行政の進展に大きな役割を果たしていただいた平山郁夫先生であります。本区が所蔵している先生の作品は1点しかなくとも、全国に展示されている作品を一堂に集め、さまざまなハードルをクリアして先生の展覧会を開かせていただく。それには、東京芸術大学があり、上野文化ゾーンがあり、先生を名誉区民としてお迎えした我が台東区をおいてほかにはない、私はそのように思っておりますが、先日、新聞報道で他都市で同様の先生の作品展が行われることを知り、先を越された感がございます。区長はどのようにお考えでしょうか、ご所見を伺います。  次に、ごみ収集について質問いたします。  ごみの分別方法が変更されたことにより、集積所には燃やすごみが増加し、山積みとなっております。また、午後に収集される集積所や、マナー違反などでごみが取り残されたところでは、カラスや猫などによるごみの散乱などの被害も見受けられます。逆に、燃やすごみの日に出された燃やさないごみが残されて、砕けたガラスなどが散らばり、大変危険な状態も見受けられます。そのため、まちの美観が損なわれ、児童の登校の障害や衛生面での問題にもなっております。3月1日からは燃やさないごみの収集が月2回となり、また新たな問題が出てくるかもしれません。このような状況について、区では現在どのように対応し、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。  最後に、ボランティアの受け入れ体制について伺います。  先日、私の知人の奥様から大変うれしいお申し出を受けました。ご自分は美容師の免許を持っているのですが、ご主人のお仕事を手伝い、子育てをしてきたので現在は美容師としては働いておられない。子どもも成長し、少し余裕が出てきたので、施設などで髪の毛をカットしたりお化粧をして差し上げたい、そんなお申し出でございました。その他、歯科衛生士の免許をお持ちの方からも同様のお問い合わせ、ご相談を受けたこともございます。  早速、問い合わせたのですが、社会福祉協議会ではボランティア団体などの紹介にとどまっており、受け入れ体制は十分とは言えませんでした。さまざまな技能を持ち、奉仕意欲のある区民の方が大勢いるのですから、一個人でも積極的に奉仕活動ができるように、ボランティアを必要としている福祉施設の状況を提供するなどの取り組みが必要であると考えるが、いかがでしょうか、区長のご所見を伺います。  これで私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 成澤議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、男女平等推進行動計画についてでございます。  まず、児童虐待への対策についてでございます。  区では、日本堤子ども家庭支援センターが中心となり、小・中学校や幼稚園、保育園、保健所、児童相談センターや民生・児童委員等、子どもにかかわる各機関で構成する要保護児童支援ネットワークのシステムをつくっております。虐待に関する情報は、中心である日本堤子ども家庭支援センターに一元的に集まる仕組みになっており、関係機関との情報共有、安全確認等の迅速な対応に努めております。  今後も、とうとい子どもの命が守られるよう全力を尽くしてまいります。  次に、ワーク・ライフ・バランス実現に向けての取り組みについてでございます。  私も、人々のライフスタイルや価値観が多様化している今日、仕事と生活との調和を図るワーク・ライフ・バランス実現の取り組みは重要であると認識いたしております。中小企業にとっても、ワーク・ライフ・バランスの実現は人材の流出防止や業績へのプラスの影響が考えられますが、人的負担の増加などの懸念があるため、議員ご指摘のとおり、区内事業者の取り組みが進んでいない面もございます。  今回の計画改定に当たり、事業者に対するワーク・ライフ・バランスの推進を施策の一つとして位置づけ、子育てしやすい職場環境づくりを目指した一般事業主行動計画の策定の方法や、東京都で実施している中小企業への助成金事業などの周知・啓発を進めてまいります。  次に、孤独死への対策についてでございます。  近年の孤独死の増加は、ひとり暮らしや長期不況に伴う失業者の増加、地域社会の変化に伴う人間関係の希薄化などが要因となっており、私も議員同様、憂慮いたしております。高齢化率が高い本区におきましては、特にひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯への対策が重要でございます。  そこで、現在、地域全体で高齢者を支える地域見守りネットワーク事業を実施し、地域包括支援センターを中心に、民生委員を初め、電気・ガス・水道事業者など、高齢者を取り巻く方々が声をかけ、様子を見守っております。また、清掃事務所でもひとこえ収集に取り組むなど、高齢者が安心して暮らせるよう努めております。  今後とも、こうしたネットワークの強化を図るなど、地域全体で高齢者を支え合う仕組みを充実してまいります。  ご質問の第2は、観光施策についてでございます。  まず、宿泊・滞在型観光客の誘致についてでございます。  私は、本区を訪れる観光客にまち歩きを楽しんでもらい、宿泊していただくことは大変重要なことと考えております。私はこれまでも、観光客の回遊性向上や宿泊客の増加を図るため、区内に多数存在する魅力ある文化・観光資源を活用し、ストーリー性のある観光コースの開発やライトアップ等による夜の魅力の創出など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。  今後は、新観光ビジョンの観光滞在・観光消費充実戦略に基づき、多様な魅力発信や回遊性を高める個々の取り組みを有機的に結びつけるとともに、墨田区等と連携して新たな観光ルートを開発するなど、観光客の滞在時間の拡大を目指してまいります。また、宿泊客受入戦略に基づき、旅行者の動向等をとらえながら、宿泊と体験観光をセットにした商品の企画や、旅行会社等への観光情報の提供などに積極的に取り組んでまいります。  これらの取り組みにより、新観光ビジョンの年間宿泊者数の目標110万人の実現に向け、努力してまいります。  次に、したまちコメディ映画祭の検証についてでございます。  この映画祭は、日本を代表する文化・芸術のまち台東区の魅力を世界に発信するとともに、地域との協働により、区内のにぎわいを創出することを目的として開催しております。  昨年の映画祭では、新しい才能と人材の発掘のため短編映像コンペティションを実施し、多くの若者の参加がございました。また、活弁士による上映やゲストを招いての映画講義、視覚に障害のある方への音声つき上映など、さまざまな企画に取り組み、多くの方々に楽しんでいただけたものと考えております。一方、全体を通して見ますと、作品の話題性やその周知により、集客が偏るなどの課題もございました。  本年の映画祭では、より注目を集めるコメディー作品の上映やインターネットを活用したPRの充実に努めるとともに、昨年大盛況だったコンペティションの応募期間の延長や会場規模の拡大を図ってまいります。また、演劇祭を同時期に開催することにより、映像と演劇をあわせて楽しめる取り組みを行うなど、相乗効果を発揮させ、より一層の誘客につなげてまいります。  次に、したまち演劇祭の進捗状況についてでございます。
     この演劇祭は、大衆演劇発祥の地である本区の魅力を国内外に発信するとともに、区内全域のにぎわいを創出することを目的として開催するものでございます。2月1日にはしたまち演劇祭実行委員会が発足いたしました。今後は、この実行委員会において演劇祭全体の企画・運営等について鋭意協議を進めてまいります。  次に、故平山郁夫氏の展覧会についてでございます。  去る12月2日に逝去された平山郁夫氏は本区の名誉区民であり、東京芸術大学の学長として、また、上野の山文化ゾーン連絡協議会の初代会長として、本区の文化行政の進展に深い理解を示され、区行政のさまざまな分野でご指導、ご協力をいただいたところでございます。  平山氏の偉大な功績をしのぶとともに、その作品を展示等により、区民の皆様を初め多くの方々に鑑賞していただくことは大変意義のあることと考えております。今後、ご遺族の意向を踏まえ、東京芸術大学、日本美術院など、平山氏の創作活動の基盤となった機関や団体とも協議しながら、平山氏の偉業を伝える機会の創出について検討してまいります。  ご質問の第3は、ごみ収集についてでございます。  一昨年の分別方法の変更以降、区民の皆様のご協力により、ごみの総量は着実に減少してきております。しかし、議員ご指摘の、排出ルールを守らないごみ出しやカラス等によるごみの散乱が見られる集積所もございます。その集積所につきましては、排出ルールの周知や防鳥ネットの貸し出し、警告看板の設置などを実施してまいりました。  今後も、近隣の方々のご了解のもと、集積所の分散や移動を行うとともに、集積所をご利用の皆様と十分に協議を行い、地域特性に応じたきめ細やかな対応を図ってまいります。  また、3月からの燃やさないごみの収集回数の変更に当たりましては、万全の体制で取り組んでまいります。引き続き区民の皆様のご協力のもと、集積所の環境整備に努め、清潔できれいなまちを目指してまいります。  ご質問の第4は、ボランティアの受け入れ体制についてでございます。  現在、福祉ボランティアの受け入れにつきましては、台東区社会福祉協議会が窓口となっているほか、特別養護老人ホームを初めとする各福祉施設においても個々に受け入れを行っております。社会福祉協議会では、個々の区民からの問い合わせに対し、ボランティア活動団体を紹介するとともに、ホームページで各事業所等のボランティア募集情報の提供も行っております。  今後、ボランティア活動を行いたい方と必要とする方の双方が円滑に結びつくよう、窓口体制の充実に努めてまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) 15番小菅千保子さん。          (15番小菅千保子さん登壇)(拍手) ◆15番(小菅千保子 さん) 区議会公明党の小菅千保子でございます。平成22年第1回定例会に当たり、5項目11点について質問をさせていただきます。区長並びに教育長におかれましては、積極的なご答弁をお願いいたします。  初めに、パートナーシップの促進についてお伺いいたします。  世界同時不況の波にのまれ、戦後初めてのマイナス成長を記録した厳しい雇用情勢に直面し、都交付金も、また特別区税収も減少する財政状況の今日、公明党は、日本を切り開く視点から、中長期にわたる新ビジョンを昨年12月に発表いたしました。その一つの柱が「協働型福祉社会」という新しい社会像です。これは、自助・共助・公助がバランスよく組み合わさったパートナーシップ、つまり協働を軸にした福祉社会を目指す考え方であります。厳しい時代だからこそパートナーシップで区民の方々と行政が協働し、今まで以上に知恵を出し合い、身近な課題をスピーディーに解決していく力が今日求められております。  例えば、本区のある町会では自主的に「お役に立ち隊」を結成し、ひとり暮らしの高齢の方の困りごとをお助けしようと活動を開始している町会。また、子育て応援パスポートの実施。先日の上野地区災害時滞留者のための訓練の実施。区内の建物景観100選の総点検。その結果、27カ所の新提案をまとめ上げ、全くの手弁当でプレゼンテーションをしてくださったまちづくり協力会の活動。この内容を業者に委託したら二、三百万円はかかる大変な労作業です。  このように、したまち台東は、もとより活発で勢いがあり、面倒見のいい気風から多くの民間力に支えていただいております。今後、さらにパートナーシップの促進で、きめの細かい区民サービスを行っていくためには、この地域・民間力を、育て・支え・活用していく明快なシステムづくりが必要であると考えます。  そこで、区長に3点お伺いいたします。  1つ目は、ここで市川市の先進的な事例をご紹介いたします。まず、企画部にボランティア・NPO担当を組織化し、パートナーシップの促進を図る施策として1%市民活動団体支援制度を実施しております。この制度は納税に対する意欲を高め、市民活動団体の活動を支援し、促進していくことを目的として条例をつくり、平成17年度からスタートしております。市民活動団体支援制度審査会を設置し、地域まちづくりの主体であるボランティア団体やNPOなど、営利目的ではない自主的な活動に対して、納税者が支援したい団体に個人市民税の1%相当額を支援するものです。現在、294団体が登録し、活発に活動を展開しております。  また、その一歩先を行く大阪府池田市では、地域分権推進条例を制定し、議会の審議、議決を経た個人市民税の1%相当分の予算提案権を持った住民組織による自主的なまちづくりが進んでおります。いずれの提案も地域の実情に基づいておりますので無駄がなく、結果的に予算節減になり、価値的な税金の活用ができております。  私は、区民と行政とお互いに栄え、双方が利益を得るウィンウィンの関係の確立がパートナーシップをより円滑に促進させると考えております。そこで、本区においても区民活動を支援できる1%市民活動団体支援制度のような独自の制度が必要と考えております。区長のご見解をお伺いいたします。  2つ目は、同じく市川市では、地域ポイント制度を立ち上げ、市が指定するボランティア活動やエコロジー活動、市のe−モニター制度など、市民が楽しみながら社会参加促進につながるなど相乗効果が得られる制度を推進しておりますが、これについて区長のご見解をお伺いいたします。  3つ目は、本区では日ごろから各種団体やまちの皆様がアグレッシブに地域活性化のためにさまざまな活動を繰り広げていただいております。その後押しとして、行政は貴重な税金から補助金として一部支援をさせていただいておりますが、この補助金制度のあり方についても検討会を立ち上げるなど、見直しが必要な財政環境ではないかと考えております。これも年度ごとに事業内容によって一定上限額の中で増減を考慮していくなどで、より価値的な事業展開ができ、パートナーシップの促進につながると考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、新しい働き方・雇用の創出についてお尋ねいたします。  日本では従来、仕事は雇用主がいて働き手がいるという、この形が一般的な就労形態です。それが、一昨年のリーマンショック以降、労働環境はいまだ悪化の傾向です。とりわけ若い世代への影響は大きく、社会人としてスタートラインに立ったときから働く場所が見つからなかったり突然に職を失うなど経済基盤がなくなるだけではなく、社会で必要とされないことへのショックや将来への不安を抱えて希望を見出すことが難しい現実社会で、人生設計を立てることも難しい現状です。本来、人は働けば収入を得ることができ、生活ができる、こんな当たり前の人間としての尊厳を守らなければなりません。  そこで、最近注目されているのが協同労働の協同組合です。この働き方はまさに自助・共助の地域・民間力で介護、福祉、子育て、まちづくり、農業など、さまざまな分野で新しい雇用を生み出しており、協同労働の協同組合は日本では今までにない全く新しい働き方であります。ともに仕事に賛同した人が出資者であり、対等の立場の経営者であり、ともに労働者です。  協同労働の法制化を求める市民会議会長の笹森清元連合会長は、こうした働き方はさまざまな分野で求められていて、制度として認められれば就職から創職へ、雇われではなく、みずから仕事をつくり出す働きが全国に広がるだろうと話しています。協同労働は先進国の多くで法制化されており、フランスやスペインでは製造業や建築業などが多く広がっています。  昨年、日本も法制化に向けて国会で超党派の議員連盟を立ち上げ、雇用の創出が緊急課題となる中で今国会での成立を目指しております。昨年、台東区議会として、また、東京都議会も早期法制化の意見書を上げたところです。  現在、都内では文京、墨田、荒川、江東、葛飾、足立、それぞれこどもクラブ、放課後こどもスクール、高齢者デイサービス、訪問介護、ニート対策、ホームレス就労支援など、区の指定管理を受けて実際に多くの方々が主体者として働いていらっしゃいます。  時代のニーズに合致した雇用形態だと考えます。例えば病後児保育や保育ママも1対1ですとちゅうちょされる方も、協同労働の形ですと、もっと働きやすい、安心・安全な保育ママグループで起業していくことができるようになります。本区におきましても、区民の新しい雇用創出のため、高齢者の皆様や障害のある方、子育て中の方も豊かな気持ちで社会参画できる働き方です。中には、6人のリストラされた女性で1丁240円のお豆腐づくりを立ち上げた女性がいらっしゃいます。その方たちは、現在、年商2億円、175人の企業に成長したグループもあります。全国に多くの実績があります。  そこでお伺いいたします。区長はこの協同労働の働き方に対し、どのような認識をお持ちでしょうか。また、他区の事例や成果などを参考にし、本区においても活用していってはいかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。  次に、予防できる唯一のがんであります、子宮頸がんについてお伺いいたします。  子宮頸がんは、女性の80%が性行動などによるHPVヒトパピローマウイルスによる感染が原因のがんと言われております。その90%は自己免疫力で消えますが、約10人に1人がHPVに感染した状態で10年ほど経過してがん化すると言われております。  自治医科大学附属さいたま医療センターの今野教授は、子宮頸がんは定期検診と予防ワクチンの接種で100%根絶することができるのです、と明言されております。この予防ワクチンは既に世界117カ国以上で認可され、定期接種に取り組んでいる国は40カ国近くあります。特にオーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国で12歳の女子に予防ワクチン接種を義務化し、子宮頸がんを根絶するための取り組みを開始しております。  先進諸国では子宮頸がんの検診受診率を上げたことで発症が減少している中で、唯一日本では前がん状態を含めると約1万5,000人が発症し、そのうち約3,500人の方が亡くなるという不名誉な増加傾向の状況です。最近では20代前半から30代の若い女性の発症が急増しており、そのピークは30代で、まさに出産年齢、子育て世代であります。  公明党は、一昨年から女性特有の子宮頸がん対策と、同様に急増している乳がん対策に取り組み、昨年は予防ワクチンの早期承認を訴えてまいりました。その結果、日本国内においても1種類のワクチンが昨年承認され、ことしの秋にはもう1種類承認されると伺っております。  この予防ワクチン接種の効果は、臨床試験で感染が約90%から100%抑制されることを確認し、未感染の10歳から15歳の100人を対象とした試験でも、全員がHPVヒトパピローマウイルスに対する抗体を持ったことが認められました。ただ、この予防ワクチンの接種費用が1回につき約1万5,000円かかります。これを6カ月間に3回接種が必要なため、高額の負担となります。ちなみに、杉並区では中学1年生に入学祝いとして実施する予定と伺っております。  そこで、区長に3点、教育長に1点お伺いいたします。  1つ目は、昨年度は総合健康診査受診票に子宮がん検診の申し込みはがきを同封し、検診受診率向上に取り組んでいただきました。その取り組みについて成果はいかがでしょうか、お伺いいたします。  2つ目は、公明党は国へも予防ワクチン接種費用の補助について強く要望しているところでありますけれども、本区においても、まさに10年後、20年後、出産年齢を迎える子どもたちの健康を守るために予防ワクチン接種の公費助成の実施を提案いたしますが、いかがでしょうか。  3つ目は、あわせてこのワクチンはHPVに感染していない12歳から13歳くらいの女子が対象となるため、まず保護者の方々にご理解を得るための講習会などを通じて周知が必要となります。区長のご見解をお聞かせください。  次に、教育長にお伺いいたします。  予防ワクチン接種につきましては、児童・生徒への健康を守るという観点からも、直接の啓発指導が必要となります。この予防ワクチン接種について教育長のご見解をお聞かせください。  次に、幼児教育についてお伺いいたします。  22年度は、幼児教育共通カリキュラムの策定が予算化されております。幼児期は人格の基礎を築く一番大事な心を育てる時期であり、現在、小学校1年生の学級運営に課題が多く見られることからも、その教育・養育支援が急務であります。大正小学校初代校長の牧口常三郎先生は、いかなる教育改革も、子どもの幸福こそ第一義とせよ。教育は、子どもの幸福のためにあると訴えております。カリキュラムの策定に当たり、大事な指針になると考えます。今後、小学校1年生への教師の加配と同時に、年長5歳児への指導を充実していかなければならないと考えます。  デンマークでは年長児を義務教育の就学前学級ゼロ年生ととらえ、遊びを通して学校生活になれること、人間関係の大切さを身につけることに主眼を置いています。このことからも、年長児からのスムーズな移行を促す指導が重要です。年長児と1年生の一番のギャップは机といすです。10分、20分と着席を余儀なく求められるところです。子どもにとっては急激な環境の変化であります。  そこで、教育長に2点お伺いいたします。  1つ目は、年長児の経験・体験・実感を通して1人1人の自覚を促す教育と、何のためにという年齢に沿った目的感・使命感を啓発する指導が重要であると考えます。具体的には、小学生の授業の様子を見学することもよい刺激になり、自然に休み時間と授業時間のけじめをつけることを学びます。また、幼稚園室内のレイアウトの工夫、テーブルといすの利用機会をふやす、漢字の表記を用いるなど、教諭や保育士の目線からではなく、子どもの視点に立って環境を整えることが大事で、子ども1人1人の自覚を促す教育が必要であると考えますが、いかがでしょうか。教育長のご所見をお聞かせください。  2つ目に、特別支援教育コーディネーター研修についてお伺いいたします。  発達障害者支援法が平成17年に施行され、今年度で5年目に入ります。本区では就学支援ノートを作成するなど、さまざまなきめ細かな対応で取り組んでいただいております。ですが、予想外に発達障害児が多くなってきた中で、いまだ診断を受けていないグレーゾーンの子どもたちの療育支援がおくれることが危惧されます。この発達障害は、早期発見・早期療育が非常に重要です。早期療育支援を行うことで良好な親子関係が築け、よりその子らしい育ちで、周りの理解や協力を得てスムーズな就学へ導くことができます。  横須賀市では、3カ年で横須賀市療育支援ネットワークを整備していく方針です。21年度は市内の公立・私立の幼稚園、保育園の先生を対象に発達支援コーディネーター研修を行い、修了者には市独自の写真つきの発達支援コーディネーターのネームプレートが授与されます。たった1枚のプレートですが、保護者からの信頼感につながっております。  そこで、本区におきましても特別支援教育コーディネーター研修会をさらに充実させていくために、私立幼稚園、保育園の先生まで拡大するなど、気になる子どもやお困り感を抱えた親子をさまざまな角度から支援していくために、高い専門性と寄り添う人間性が必要であると考えます。教育長のご見解をお伺いいたします。  最後に、横須賀市では、こども育成部棟に療育支援センターを併設しており、相談業務、また、専門医による診断が1カ所で受けられるようになっております。  本区の場合は、保健所、教育支援館、松が谷福祉会館、病院と役割分担をしております。例えば松が谷福祉会館で病院に受診を勧めた場合、親御さんによっては、認めたくないということでしょうか、この診断を受けないケースなどがあります。それによって療育支援がおくれるわけです。例えばこのような漏れがないように、受診後の療育支援の内容の計画など、具体的な切れ目のない発達支援の連携体制が重要ではないかと考えます。区長のご所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 小菅議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、パートナーシップの促進についてでございます。  まず、市川市における市民活動団体支援制度及び地域ポイント制度につきましては、いずれの制度も市民の地域への関心を高め、市民活動への理解と参加を広げる制度であると認識いたしております。近年、暮らしのニーズや地域の課題が多様化していることから、従来のように行政だけで解決することは難しくなっております。今後、このような制度も参考にしながら、パートナーシップを促進していくための課題を整理した上で、本区にふさわしい協働の仕組みづくりを研究してまいります。  次に、補助金制度のあり方についてでございます。  補助金は、公益上必要がある事業、または団体に対し、その目的の効率的、効果的な達成のために交付するものでございます。補助金の適正な執行は、補助対象とのパートナーシップの促進に寄与するものと認識いたしております。  これまでの取り組みといたしまして、補助金の執行につきましては、事務事業評価や予算編成の過程で、事業内容を含めたあらゆる視点から検証しているところでございます。しかしながら、補助金にはさまざまな形態や目的があり、そのあり方につきましても、さらに多角的な視点から検討していく必要がございます。  議員ご提案の事業内容に基づく補助金額の増減も含め、補助金制度のあり方につきまして引き続き検討してまいります。  ご質問の第2は、新しい働き方・雇用の創出についてでございます。  協同労働は、働く人たちみずからが出資して経営に参画し、地域の中で仕事を開拓するという新しい働き方でございます。雇用情勢が厳しい中、自分たちで働く場をつくり出すとともに、多様な労働形態にも対応した働き方であると認識いたしております。  去る1月23日に都立産業貿易センター台東館におきまして、協同労働の協同組合法制化シンポジウムが開催され、本区も後援をさせていただいたところでございます。  協同労働につきましては、今後さまざまな視点から研究し、その活用について検討してまいります。  ご質問の第3は、子宮頸がんについてでございます。  まず、子宮頸がん検診の申し込みはがきの成果についてでございます。  平成20年度より総合健康診査の受診票にがん検診申し込みはがきを同封いたしましたところ、受診希望者が大きく増加しており、平成20年度は前年度比で約38%の増加でございました。今後も周知に努め、受診率の増加を図ってまいります。  次に、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成についてでございます。  ワクチンは昨年10月に我が国でも承認され、12月から接種可能となりました。承認に当たりましては、臨床試験で一定の効果と安全性が確認されてはおりますが、現在、国においては、子宮頸がんの予防を図っていくために、ワクチンも含め、どのような方策が効果的か総合的に検討していくことといたしております。  費用の助成につきましては、ワクチンが承認されて間もないため、国の動向やデータの蓄積と分析結果を踏まえ、今後、検討してまいります。  次に、保護者向け講習会の実施についてでございます。  ワクチン接種につきましては、保護者の方々のご理解が必要でございます。今後は、ワクチンを含む子宮頸がん予防につきまして、講習会等を実施してまいります。  ご質問の第5は、発達支援の体制についてでございます。  議員ご指摘のとおり、発達障害につきましては、早期発見とその後の適切な支援が重要であると考えております。そのため、保健所による健診や、保育園や幼稚園におきましては、現場の職員の発達障害に対する知識・理解が必要であることから、専門的な研修を実施し、早期発見に努めております。  また、発達障害と思われるお子さんへの対応につきましては、臨床発達心理士などの専門講師が定期的に保育園や幼稚園を巡回し、お子さんの状況を確認するとともに、必要に応じて療育機関等へ連絡するなどの支援を行っております。  今後は、関係機関との連携をさらに強化し、相談後のフォローアップの充実に努めてまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 小菅議員の子宮頸がんについてのご質問からお答えをさせていただきます。  現在、中学校保健体育の保健分野の授業では、感染症の原因と予防、エイズ及び性感染症の予防を指導いたしているところでございます。今後、子宮頸がんに関連いたしまして、児童・生徒への啓発指導につきましても、教材開発や生徒の発達段階などを含めて前向きに検討してまいりたいと思います。  また、道徳教育や学級活動の指導については、異性の尊重や健康安全面の指導について、効果を高められるよう工夫してまいりたいと考えているところでございます。  次に、幼児教育についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、ひとりひとりの自覚を促す教育についてでございます。  幼児期から小学生期にかけては、遊びを通した無意識の学びから意識した学びへと変化すると言われております。そして、その変化に対応できないときに、不適応に陥る場合があるとも言われております。  現在も各園では、幼児の行動するときの時刻を示す時計の絵や文字を表示した引き出し、あるいは通し番号が書かれているいすなどが環境として用意されております。こういった環境も、5歳という発達段階に応じた意識させる指導を取り入れてこそ、幼児の自覚を促すことにつながると考えております。現在、小学校併設幼稚園では、小学校との交流学習が行われておりますけれども、今後、幼児が意識して小学校の校舎と幼稚園の園舎との違いを見つけたり、児童が学習している様子を観察したりする指導についても検討してまいりたいと思います。また、いすに座って机に向かうことに対する憧れをもとに、定められた時間に意識していすに座る体験を取り入れていくことも検討してまいります。  こういった指導は、公立・私立とも幼稚園や保育園などのすべての5歳児において同様に行われるよう配慮していく必要がございます。そこで、今年度立ち上げました幼稚園・保育園・こども園・小学校連携にかかわるプロジェクトチームにおいて、各施設の5歳児に対する指導のポイントを共有化できるよう取り組んでまいります。  次に、「特別支援教育コーディネーター研修」についてのご質問にお答えをさせていただきます。  研修につきましては、現在、各幼稚園・小学校・中学校の特別支援教育コーディネーターを対象に、専門性や資質・能力を向上させるために、年間4回の研修会を実施しているところでございます。しかし、公立・私立幼稚園・こども園、公立・私立保育園の教員及び職員が、同じ場で同じ研修を受ける機会はございません。そこで、今後、同じ課題意識を持って受講したり、情報交換をする必要がある場合には、幼稚園・保育園・こども園・小学校連携にかかわるプロジェクトチームが企画する合同研修会のテーマとして取り上げることも検討してまいりたいと考えております。 ○議長(鈴木茂 さん) 9番秋間洋さん。          (9番秋間 洋さん登壇)(拍手) ◆9番(秋間洋 さん) 日本共産党の秋間洋です。中小企業と地域経済、次世代育成支援地域行動計画、2つのテーマで質問いたします。  第1のテーマは、何としても区内中小零細企業の仕事と売り上げをふやし、地域の経済、区民の暮らしを活性化することであります。  私は、民主商工会時代から二十数年、ずっと台東区の中小零細企業を見てきましたが、事業主からこんなに悲痛な声を聞いた年末年始はありませんでした。道具街のある経営者は、悪かった前年12月よりさらに売り上げが2割減り、従業員への一時金は泣いてもらった。社員6人の機械部品製造卸業の女性経営者は、設備投資が凍りついたまま、このままでは3月の決算前に半分の社員にやめてもらわなければならなくなると、胸のうちを明かしていました。
     先日、我が党区議団は、都立蔵前工業高校の進路指導の先生から話を聞きました。3年前までは、秋の段階で中小企業を中心に100%希望先の内定が出ていた。しかし、ここ2年は年明けでも内定がとれない生徒がふえ、希望先に行けるのは3人に1人ほどになってしまったと嘆いていました。日本の雇用の7割、台東区では9割を支えていると言っていい中小企業は、まさに底が抜けた状況であります。  区長、私は、所信表明からも来年度予算案からも、区内中小零細企業のこの苦境をどんなことをしても打開したいという熱意をあなたから全く感じませんでした。どうお考えなのか、まずはっきりお答えください。  区長は所信で華々しく観光対策を述べた後、産業振興プラン策定に向け調査を行うと表明しました。観光のつけ足し程度に聞こえたのは私だけでしょうか。昨年夏の中小企業調査の結果がコンサル任せで、まだまとまっていません。あなたの姿勢を象徴しているのではありませんか。  観光振興は大事であります。しかし、区民生活全体にかかわる中小企業・産業対策は台東区経済の土台の部分であります。我が区は、地域の雇用と暮らし、高齢者や子どもの見守り、防災・防犯、交通安全、まちづくり全般にわたり中小企業・零細事業者によって支えられています。税収も、中小企業が元気かどうかで大きく変わる区であります。  先ほどの蔵前工業高校の話ですが、年末までに内定が出ていなかった生徒が、ここに来て2人続けて決まった。その先が台東区の中小企業でありました。名前を聞けばだれもが知っている、しにせの会社であります。区内の中小企業が厳しい中でも、区内の高校新卒者にしっかり希望の灯をともしたのであります。21世紀の台東区を担う次世代をはぐくむという点でも、我が区の中小零細企業はかけがえのない役割を果たしています。  今回の産業振興プランの策定をコンサルに任せ切りにせず、全庁挙げて知恵と力を結集し、いいものにすべきであります。見解を伺います。  私は、2つの柱で緊急対策を提案します。  一番のポイントは、台東区経済の大もとである区民の暮らし・福祉施策を拡充し、それと一体で中小零細企業・商店街対策を進めることであります。区民の暮らし・福祉は、地域経済の大もとを支える力であります。雇用と年金、医療、介護、保育などが安定し、地域社会がしっかりしてこそ、まちの経済も潤うことは言うまでもありません。  しかし、この10年、台東区は区民の暮らし・福祉施策と区民サービスの最前線の職員を削りに削ってきました。これがボディブローのように区内経済にダメージを与え続けてきました。  景気対策は、大もとは国の責任であります。しかし、一自治体でも、その姿勢いかんで地域経済を相当活性化できます。  まず、住宅であります。  山形県庄内町は、一昨年から地元の建設業者に住宅の新築・改修を頼むと、施工主に工事費の5%を祝い金として交付する制度を始めました。3年前までは新・増築が町内100件前後、その7割が大手ハウスメーカーの受注だったこの町が、この制度により、ぐっと地元の仕事がふえ、昨年度は1.5倍の158件、7億円を超える工事が地元の中小零細な建設業者に回りました。町の補助金は2,440万円ですから、税金投入の30倍の経済効果であります。この制度を活用した仕事を受注したある中小建設業者は、これまで5件、7,000万円受注した。住宅リフォームでは、基礎・製材・サッシ・建具・内装など20社近く、200人を超す人の仕事が生み出せたと話しています。庄内町長は、土木事業が10億円のこの町で、この事業は第2の公共事業だと言います。  私は、台東区で高齢者が住み続けられる住宅を確保する、この対策で区内中小零細企業への仕事をふやすことを提案いたします。立ち退きを受けているが次に住む部屋がない、収入が減って今までの額の家賃は払えなくなったが安い家賃のところがない、区外に転居したらかかりつけの病院に通うのが大変など、高齢者の住宅問題は一つ一つが深刻であります。  ところが、シルバーピア建設はこの切実な声にこたえていません。昨年末の募集は13世帯、これに対し応募総数が227世帯。17.46倍、大変な倍率であります。毎年200世帯を超す応募があるのに、この5年でできたのは、寄附された建物を改修した1棟5戸だけであります。長期総合計画のこのたび出された後期計画案でも5年間で1棟20戸しかつくらない計画であります。  区長、行政計画のシルバーピア建設目標を、あと数倍ふやすべきではありませんか。お年寄りの住宅を何とかしてあげたいという地主さん・大家さんはたくさんいらっしゃいます。シルバーピアが建設しやすいように、今、障害になっている敷地面積をもっと狭くても可能にすること、廃止した利子補給制度の復活、建設補助金の対象面積を以前のように拡大することなど、助成の要件を緩和すべきであります。  住宅耐震補強工事は、このままでは計画達成はまさに空想的であります。高齢者の住宅改修も、やりたくてもお金が足りなくてできない、1割負担は厳しいという人がたくさんいらっしゃいます。思い切って補助を増額すべきではありませんか。これは必ず区内の中小零細な建設業者の仕事おこしと雇用の創出、高齢者の定住と安心・安全につながる経済効果の大きい事業になります。区長の決断を求めます。  2つ目は、地デジであります。  移行に伴い、国は生活保護世帯へのアンテナ設置工事とチューナー購入を助成します。ところが総務省は、この仕事を東京都では2つの大手企業に、他の県ではそれぞれ1つの会社に一括発注する手法で進めています。地域の中小零細企業には回りません。回ったとしても下請で、中間マージンを取られては成り立ちません。  区長、台東区が生活保護世帯のアンテナ設置とチューナー購入を区内の小さな電気工事店につなげようではありませんか。国のお金で3億円の仕事が地域に出ます。これは共通商品券の昨年の倍の金額であります。ほとんどが人件費ですから、経済効果はその数倍と見ていいでしょう。台東区はこれに加え、住民税非課税の低所得者世帯が区内中小事業者に地デジ工事を発注する場合は助成しようではありませんか。莫大な経済効果が期待できます。区長の所見を伺います。  3つ目は、福祉を拡充し、消費を拡大して地域商店を応援することであります。  私は、まず高齢者入浴券を無料にし、倍の枚数にふやす、公衆浴場に三・四世代一緒に入れるファミリーチケットを発行することを提案します。暮らしとコミュニティ、子育て支援を進めながら、区内の銭湯と銭湯近隣の商店支援策になります。  昨年から共通商品券を復活したことは高く評価しますが、さらに改善が必要です。大手量販店などを対象から外し、区内商店・地域商店に限る。発行枚数、額をふやすべきであります。  また、敬老祝い品を復活し、共通商品券で支給する。表彰事業などの祝い品は共通商品券で支給するなどして、徹底して区内商店の売り上げ増につなげるべきであります。答弁を求めます。  愛知東邦大学の森靖雄教授は、100万円を地域商店街で使うか、大型小売店で使うかで、どれだけ地元経済への波及効果で違いが出るかを調査いたしました。本部一括仕入れの大型店では95%が本部に吸い上げられてしまい、地域に還流するのは地方税とパートタイマーの人件費5%程度であります。一方、地域商店街の売り上げは約半分が地域にとどまり、これが地域の再投資として雇用・生産・物流などで回転いたします。地域経済への波及効果では大型店に比べ、何と20倍もの差が出るという結果が報告されているのであります。  区は、官公需の地元中小企業の受注機会をふやすと言いますが、かけ声倒れであります。先般、入札が実施された小・中学校の電気工事も、学校ごとに分割して発注すれば、区内の中小工事会社が受注する機会はふえたはずであります。区は、以前であれば、一から対応していた家具転倒防止器具取りつけ工事、火災警報装置の購入・設置、これを一括して発注するようにしてしまいました。  区長は所信で、あらゆる施策を展開するに当たって、環境の視点が不可欠であると述べました。それと同じぐらいの熱意を持って、区が展開するあらゆる施策を区内の中小零細企業の仕事おこしに結びつけるよう強く求めます。  所信で表明した住宅用省エネルギー機器設置費用の助成、屋上緑化への助成制度によって生まれる仕事が区内中小企業に最大限回るよう、区内中小業者への発注については助成額をふやすなど、呼び水をつくるべきです。所信で表明した緑のカーテン設置なども、来年度は育英幼稚園と平成小学校で設置工事が予定されているようですが、区内の中小企業にしっかり回るようにすべきではありませんか、答弁を求めます。  緊急策の2つ目の柱は、制度融資の改善です。  金融円滑化法の施行が中小企業金融にどのような影響をもたらしているか、まず実態調査を早急に行うべきです。いかがですか。  私は年末年始、4つの金融相談を受けました。新規の融資は1つだけで、あとの3つとも月の返済額の減額や金利の引き下げなどの条件変更でありました。メガバンクも信用金庫も、新法を意識して返済の減額についてはとても柔軟でしたが、金利の引き下げは頑として譲らない、追加つなぎ融資も厳しいものがありました。  特定不況業種認定の信用保証協会枠拡大、きょうから全業種に拡大されますが、これは広く行き渡りました。しかし、これでわずかに一息ついたが、経営環境は厳しくなっているわけですから、どうしても新たな資金繰り策が必要であります。決め手は、区として融資条件変更途中でも追加融資が受けられる制度を信用保証協会や金融機関と協調してつくることであります。信用保証協会は条件変更途中でも追加保証することを認めはしていますが、返済が10年の枠内かどうかを指標にしています。これを緩和してもらうことが必要であります。区長の答弁を求めます。  もう一つは、メガバンクを中心に、優越的な地位を利用して、プロパーの融資の金利を7%から9%と高利で押しつける事例が出始めていることであります。銀行の中小企業金融のサラ金化はそれそのものが不当であり、政府の対応が必要です。しかし、銀行の金利が余りに高い場合、並行して区の制度融資を利用している企業については、金融機関との金利引き下げ等の相談、あっせんなどを区として行うべきではありませんか。また、そういうときの借りかえを認める制度融資をつくることを提案します。答弁ください。  2つ目のテーマは、次世代育成支援地域行動計画であります。  今後5年間の後期計画案が出ました。次世代に親となる子どもの対策など、高校生も区政の課題に入れてくるなど、前進した面は率直に評価をいたします。大事なのは、この計画を推進していく協議会の運営です。区民の声が届き、それを生かして進められるよう期待いたします。  ただ、子どもや子育て世代を取り巻く情勢のとらえ方が、まだまだ不十分であることを指摘せざるを得ません。  第1に、子どもの貧困についての認識が極めてまだまだ弱い点であります。  先日テレビで、4人子どもがいる母子家庭の生活が放映されていました。母親が毎朝早朝出勤するその前に、1,000円札をテーブルに置いていきます。この1,000円でこの4人の子どもは朝食と夕食を賄うのであります。給食が唯一カロリーとバランスのとれた食事、朝と夜は1人1食125円、実はこの家庭、台東区民でありました。  1月の保健福祉委員会に初めて生活保護の母子世帯での貧困の継承についてデータが出ました。母親の4割が小・中卒、5割が高卒、短大以上は1割を切っていました。貧困の継承の調査に踏み出したことは評価いたします。問題は、これを政策的にどうつなげるかであります。大阪の堺市は、奨学金制度の拡充に結びつけました。それなのに台東区は、この4月から給食費の保護者負担を値上げするのであります。子育て家庭の経済問題に対して余りにも無神経ではありませんか。  教育長、台東区は小・中学校の給食費の保護者負担増は行わないとはっきり宣言すべきであります。答弁を求めます。  一昨年12月に国民健康保険法が改正され、子どもが所属する世帯が資格証明書世帯であっても短期保険証を交付することとなりました。子どもの貧困で痛々しいのは、親の負担を気遣って、病気やけがをしても、それを親に報告しないでと教師に頼む子どもの姿であります。こんな中学生以下の無保険の子が3万3,000人もいるということが社会問題になり、国民世論が動かして勝ち取った成果であります。  しかし、これは本来、高校生まで広げて行われるべきでありました。児童福祉法の対象年齢は18歳であります。台東区では法改正を待たず、資格証明書の世帯の高校生には無条件で保険証を交付すべきであります。  ただ、保険料が払えない貧困は、医療機関での窓口で3割負担できない貧困でもあります。先日発表された日本医療政策機構の調査では、79%の若者が将来医療費が払えなくなると答えています。保険証があっても、窓口負担ができなければ医者には行けません。  区長、私は、現在の台東区次世代育成支援地域行動計画の最大の功績は、中学3年生までの子ども医療費の無料化だったと思います。「子育てするなら台東区」の象徴として、今では全都全国の自治体に広がりました。誇るべきことであります。今後は、24時間の小児救急医療体制の確立などが課題になってきます。そんな台東区が、今度は高校生・18歳まで医療費を無料にすると全国に先駆けて宣言しようではありませんか。答弁を求めます。  2つ目は、公的な保育を拡充する点での一貫性であります。  計画案では、保育需要の増加を認め、認可保育所のニーズはおおむね満たされているという誤った現計画の認識を改め、認可保育所を整備するとしています。これは評価します。特に現在の定員では、平成26年に350人の待機児童が出てしまう。待機児ゼロを目指して計画をつくると、長期的な視点に立ったことは重要であります。  ただ、そうであるなら、なぜ今計画で認可保育所を新設すると明記しなかったのでしょうか。350人以上の待機児童が出る見通しであれば、認可保育所を最低数園はふやさなければなりません。明確な答弁を求めます。  子どもの成長と安全を保障する保育水準の確保も大事です。政府は、認可保育所の国の設置基準をどんどん緩和しています。昨年末、子ども1人当たりの面積基準を取り払い、先日は給食の外部搬入を認める方針を打ち出しました。子どもの安全と成長のためにも、台東区は認可園の区と都の基準を現在どおり遵守すべきです。教育長の見解を求めます。  保育園・こどもクラブに入れない子は1人もいない区、18歳までの命と健康を守り抜く区、来年度からの後期計画に「子育てするなら台東区」にふさわしい、きらりと光るこの2つの方針を掲げる勇断を区長に求め、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 秋間議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、中小企業と地域経済活性化についてでございます。  まず、中小企業の現状認識と(仮称)台東区産業振興プランについてでございます。  リーマンショック以降の世界的な景気低迷は、区内の中小企業の収益や雇用情勢の悪化をもたらし、昨年の負債総額1,000万円以上の区内企業の倒産件数は158件であり、有効求人倍率は0.7となっており、依然として厳しい状況が続いていることは、私も十分認識いたしております。  このような状況の中で、私は緊急経済対策の柱として、緊急経営安定化資金を実施し、総額363億円の融資あっせんを行うと同時に、経営相談や雇用就業相談などを実施し、中小企業の安定した事業運営が確保できるよう積極的に産業振興施策に取り組んでまいりました。  しかしながら、長期化する厳しい経済状況を見ると、私は、明確なビジョンを示し、区内産業の活性化を図ることが何より重要であると考えております。そのため、(仮称)台東区産業振興プランを策定し、産業振興施策の方向性を示してまいります。  まずは来年度、プラン策定のための実態調査により実態の把握、課題の整理を行ってまいりますが、その段階から関係部署による庁内体制を整備し、プラン策定に向けた検討を行ってまいります。  次に、各種施策と区内中小企業対策についてでございます。  まず、シルバーピアについてでございます。  現在、本区には16棟255戸のシルバーピアがあり、高齢者人口に対する設置比率も23区の中で高い水準となっておりますので、供給目標につきましては、今後の行政需要に対する優先度を見きわめた上で総合的に判断してまいります。  また、区内には高齢者用住宅として、区が整備するシルバーピアのほか、民間事業者が建設・管理運営する適合高齢者専用賃貸住宅もございますので、民間事業者との連携を図りながら、さまざまな高齢者用住宅の供給を促進してまいります。  シルバーピア建設助成要件の緩和につきましては、国の補助要件や住宅管理の適正規模、土地所有者等の事業採算性などを考慮して定めておりますので、難しい状況でございます。  また、利子補給制度にかわるものといたしましては、独立行政法人住宅支援機構の低利な高齢者世帯向け賃貸住宅融資制度がございますので、その活用を促し、対応しているところでございます。  次に、住宅耐震補強工事等の助成についてでございます。  耐震助成につきましては、耐震改修を促進するため、平成20年12月に助成額の引き上げや対象の拡大を図っており、これまでの実績では、およそ7割の工事が区内の中小事業者により行われております。今後は、この制度の推移を見守りながら、積極的に制度の普及啓発活動を行い、耐震化を進めてまいります。  また、高齢者住宅改修事業につきましては、高齢者の在宅生活を確保するため欠かせない事業でございます。その内容は、小規模な工事が主であり、およそ8割が区内事業者により行われております。  改修助成の上限額は、工事の種類にもよりますが1世帯当たり60万円を超えており、本人負担は、生活保護世帯は免除、それ以外の方は1割の負担となっております。また、介護保険認定非該当の方も対象としております。このように充実した制度でございますので、事業の拡大は考えておりません。  次に、地上波デジタル放送についてでございます。  現在、国が地デジチューナー支援実施センターを設置し、生活保護世帯などに対して地デジチューナーの無償給付とアンテナ無償設置の支援事業を行っております。この事業は地元業者の活用を前提とし、支援実施センターが東京都電気商業組合と協議を進めております。区といたしましても、区内の中小電気店の利用促進が図られるよう、支援実施センターに対して働きかけております。  また、低所得世帯への助成につきましては、生活保護世帯などに対して国が支援を実施しており、区独自の助成については現在考えておりません。  次に、高齢者入浴券についてでございます。  区はこれまで、高齢者入浴券の事業を実施し、ひとり暮らし高齢者の閉じこもり防止、健康保持などの成果を上げてまいりました。また、公衆浴場への支援策といたしましては、今年度、新たに健康増進型公衆浴場改築等助成制度を整備し、拡充を図ったところでございます。  高齢者入浴券につきましては、不適正使用防止の観点から一部負担金を導入した経緯がございますので、無料化は考えておりません。また、入浴券の配付枚数増やファミリーチケットなど、事業の拡大や新たな支援策につきましても、今後、公衆浴場支援策全体の中で検討してまいります。  次に、共通商品券事業につきましては、消費の喚起と商店街の振興を目的として、昨年10月に台東区商店街連合会が実施し、区は支援をしてまいりました。大手量販店につきましては、消費者の選択の幅を広げ、消費意欲を高めるため、取扱店として登録の対象といたしました。また、発行枚数、発行額についても、過去の実績を考慮し、適切な額であると考えております。  今後の共通商品券事業につきましては、今回の事業が景気低迷の中で緊急経済対策の一環として実施してきたものであるため、現時点では検討しておりません。したがいまして、区民表彰など祝い品への活用につきましても、議員ご提案の活用策は考えてございません。  次に、環境に関する助成制度についてでございます。  新年度に拡充する省エネ機器等の設置や高反射率塗料の施工では、既存建物への導入も見込まれ、地元の事業者を選ぶ契機が高まるものと想定されます。区といたしましては、本制度が区民の皆様にとって利用しやすいものであるとともに、中小企業振興の観点から、区内事業者の受注を促すものとなるよう、助成実績を見ながら仕組みづくりを検討してまいります。  次に、区内中小事業者の受注機会の拡大についてでございます。  区では、これまで区内の経済活性化と事業者育成などの観点から、工事や委託、物品買い入れなどについて、案件の規模や内容等を勘案しながら積極的に区内中小事業者に発注してまいりました。例えば、少額で内容が軽易な案件につきましては、小規模契約事業者の活用を図っており、また、指名競争入札の場合でも、区内事業者を優先的に指名しております。さらに、価格や数量等の面から可能なものは極力分割発注することにより、受注機会の拡大に努めております。  このたびの小・中学校の電気工事は、一括して発注すると、工事の規模やスケジュール等の関係から区内事業者では受注が困難なため3つのブロックに分割して発注したものであり、入札に指名した事業者はすべて区内事業者でございます。今後も引き続き区内中小事業者の受注機会の拡大に努めてまいります。  次に、融資制度の改善についてでございます。  中小企業金融円滑化法は、信用保証協会の保証を受けずに融資を受けた中小企業に対し、通算3年以内の借換や返済期間の延長など、利用者の返済が軽減されるための条件変更を定めたものでございます。この法律の実効性などの調査権限は金融庁にあり、個人情報等の観点からも、区が金融機関の実態調査を行うことは困難でございます。  条件変更に伴う追加融資につきましては、これまでも信用保証協会の審査により、返済経過や経営状況等を総合的に判断した上で追加保証が行われております。また、区などの融資あっせんを受けず、直接金融機関と中小企業の間で行われている融資につきましては、当事者間の契約行為であり、区が関与することは困難でございます。  中小企業経営者の厳しい現状を踏まえ、今後とも金融機関や信用保証協会との連携を図りながら、円滑な融資制度の推進に努めてまいります。  ご質問の第2は、次世代育成支援地域行動計画についてでございます。  本区の子ども医療費助成は全国に先駆けて実施し、多くの区民の皆様から安心して子育てができる制度として評価されております。この制度は、中学生までの子どもの体調が不安なときに医療費を心配することなく受診できることにより、子どもを安心して産み、育てるための基盤となるものでございますので、現行の制度を継続してまいります。  その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。           (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 秋間議員の次世代育成支援地域行動計画についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、学校給食費の保護者負担についてでございます。  平成21年度給食費改定の際には、区議会要望も踏まえて、激変緩和措置として1年間の補助を実施することにより、保護者負担の軽減を図ったところであります。平成22年度の給食費の算定に当たりましては、諸物価の動向も十分見定めた上で、前年度と同額といたしました。  給食費につきましては、毎年見直しを行っておりますけれども、今後とも献立や食材を一層工夫していくことにより質を維持し、保護者負担が最小限になるよう努力してまいります。  なお、経済的に支払いが困難な場合には、就学援助制度がございますので、ご理解をいただきたいと存じます。  次に、認可保育所新設についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、認可保育所をふやす方針の具体化についてでございます。  待機児童ゼロを目指し、区民が安心して子育てできる環境づくりを進めることは大変重要なことでございます。そこで、認可保育所を含めた区全体の保育所の整備計画の策定を次世代育成支援地域行動計画の後期計画の中に位置づけ、具体化に向けて鋭意検討してまいります。  次に、認可保育所の設置基準についてでございます。  議員ご指摘の認可保育所の設置基準の緩和につきましては、国の地方分権推進計画における見直しの状況などについて情報収集に努めているところでございますが、いまだ詳細は定かではございません。
     こうした国の動向も注視しつつ、今後につきましても保育サービスの提供と保育環境の質の確保とのバランスを踏まえ、適切に対応してまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) それでは、ここで15分間休憩いたします。          午後 3時14分 休憩  ──────────────────────────────────────────          午後 3時31分 開議 ○議長(鈴木茂 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  8番堀越秀生さん。          (8番堀越秀生さん登壇)(拍手) ◆8番(堀越秀生 さん) 新しい年・平成22年を迎えてはや1カ月半、いよいよ台東区議会も本格的な論戦である第1回定例会が始まりました。区民の皆様、そして区長を中心とする行政の皆様、議会の皆様、ことしもよろしくお願いいたします。  さて、きょうは既にご案内のとおり、他の会派の質問に重ならないように2つの視点で提案型の質問をしたいと考えております。  まずは、台東区行政のIT促進の一環として、電子申請システムに絡む公金クレジット決済についてです。そしてもう一つは、適正規模適正配置などの学校統合によって失われた各地域に点在する小学校という財産について、教育という立場を離れて地域活性化やにぎわいのあるまちづくりという観点から復活させてはどうかという質問です。  何でこんな質問を2つしたかといいますと、どちらも余り目立たない話題でありますが、これから未来の台東区を考えるときに、非常に重要な部分かと判断したからであります。今度、墨田区に新東京タワー・スカイツリーも建設され、何かとデジタル、デジタルと言われておりますが、そういった新しい技術であるデジタル社会の公金支払いという側面から最初のクレジット決済の問題は重要ですし、また、2つ目の小学校問題は、昔ながらに子どもが行き交うにぎやかな下町の再生がどれだけまちを活気づけ、どんなに区民の皆様に勇気と希望を与えられるかという視点から重要だと考えました。どちらかというと、2つ目の質問は最初の質問と対極的な昔ながらのアナログ社会、下町情緒あふれる人と人、大人と子どもが触れ合う優しいまちの話ですが、何とも言えない下町のノスタルジーを夢見る質問としてお許しいただければ幸いです。いつも厳しく行政監視をする質問を繰り返す我々ですから、今回は夢物語を語らせていただきたいと思います。  まずは区長、最初の質問ですが、私が特に聞きたいのは、今の台東区のIT化の現状についてであります。  区では現在、区民がインターネットを通じて自宅や職場から各種申請や届け出ができる電子申請システムを行っており、住民票発行や各種施設の申し込みなどに365日24時間対応で生かされています。その仕組みについてちょっと専門的なことをお尋ねしますが、いわゆる個人のインターネット経由で使えるシステムはどのような現状になっているのでしょうか。例えば、ASPと呼ばれる区民の皆さんが使うインターネット網と、行政側である台東区の間に多くのアプリケーションソフトを介して利便性や行政コストを下げる試みはどこまで進んでいるのかお聞かせください。  そして、特に次の質問が重要ですが、電子申請サービスを普及させるためには、住民票の交付や公共施設の利用などに係る手数料などをインターネットを通じてクレジットカードで決済するシステムの構築が不可欠だと思います。この点の取り組みについてはいかがでしょうか、お聞かせください。  仄聞しますと、各自治体とも電子申請サービスの利用人数がなかなか増加しないとのことですが、私が思うに、例えば住民票の交付にしても、区民館やスポーツ施設などの公共施設の利用にしても、申し込みはネット上でできるけれども、支払いは窓口や出先の機関、コンビニでしなければいけないという不便さも影響していると感じます。ですから、改善が必要だと思っているんです。それに、もし仮にこの公金クレジット決済システムが充実した場合、例えば台東区の財産であるフィルム・コミッションの映像や写真をネット上で有料貸し出しして、同じように利用料をネット上で徴収する仕組みができたり、あるいは区内商工業者が催す地場の物産展などのイベント実施と販売品の決済手続のお手伝いを区のホームページ上でできたり、日本全国、いや、世界各国に向けてネット上でさまざまな台東区の広報活動ができると思っているんです。もちろんさまざまな法律の壁もあると思いますが、どうか区長、夢あるいろいろな可能性を検討してみてください。よろしくお願いいたします。  さて、2番目の小学校復活の質問に移ります。  皆さんご存じのとおり、小学校は初等教育の場であるとともに、地域との関係が長い年月の中で構築され、地域と深い結びつきがある場所でもあります。まずはその教育現場である小学校が現在、教育活動以外の分野で区民の皆様にいかに利用されているか、改めて区長にお伺いしたいと思います。  そして次に、単に区内生徒数や各小学校の受け入れ可能人数から考えれば、現在の小学校配置で十分という意見が教育委員会では大勢でしょうが、「地域住民の連帯のあかし」、「地域住民の交流憩いの場」などとして、地域コミュニティ社会の活性化や再生のために小学校の新たな意義づけはできないか、そんなことを考えたりするのであります。何しろ区内各町会はどんどん人が少なくなってきて、地域のお祭りや各種のイベントができない地域もあるほど、区内の地域社会は深刻な状況になっています。何とか再生していかないといけないと考えております。  それと、小学校は災害時の避難場所など、「地域の核」としての重要な役割もあると思うのです。教育的な面だけではなく、地域活性化の促進やまちづくりなどのさまざまな面から考えれば、「地域の核」となる「小学校再生」という政治的課題は非常に重要だと考えます。幸い区長の政策のおかげで人口もふえてきております。区長、子どもが行き交うにぎやかな下町の再生、そしてまちづくりという観点からも、起爆剤として私立小学校の誘致も含む小学校を新設することは意味あることだと考えるのですが、そうした地域の拠点整備という立場で区長のご意見をお伺いできないでしょうか、よろしくお願いいたします。  さて皆さん、後半は、ことしの我々いぶきの会の政治的な思いと、また、区民の皆さんから聞いたお話をもとにお話をしたいと思います。  それは、最近、区民の皆様とお話をする中で、何か今までと違う空気を感じることがあるからであります。皆さんも感じませんか。いや、空気というか、明らかに今までと違った政治へのまなざしと言うべきでしょうか。  例えば、以前までは、いわゆる高齢者の方、まさに戦後、この台東区でご商売やお勤めをされて台東区の一時代を築いてこられた先輩方たちですが、どちらかというと我々若年あるいは中年に比べて蓄えもあり、他の世代より豊かな生活環境の中で過ごされる方が多いという印象がありました。しかし今、先輩方の暮らしはとんでもない状況になっております。本当に先輩方は苦しい生活環境に入ってきています。  国の都合でずっと減額されてきた年金額。そして、長い間の官僚主導政治によって複雑に絡み合った日本の税金の高さ。何より医療・介護など、本来なら現役世代の我々が先輩方を支えるべきものなのに、その負担までも先輩方に強いる健康医療の問題。そのように今の日本は、先輩方の貯金を使い果たし、今や次の時代を担う子どもたちにずっとそのツケを支払わせるほど、とんでもない国になってしまいました。何と国の借金は、きょうの午前零時の段階で864兆6,381億6,400万円まで膨らんでしまいました。  皆さん、こんな状況になったのは一体だれのせいなんでしょうか。間違いなく我々政治に携わる者たちのせいです。そう思いませんか。特に1990年代のバブル景気、そしてその飽食の果てに日本の失われた10年、いや20年の中で社会の中心にいた我々40代から上の世代の政治家の責任が大きいと、自省も込めて思う次第です。特にバブル経済終盤に社会に出て、それまでのおごり浮かれた社会をつくり直し、上の世代とともに真剣に戦って、新しい日本の仕組みをつくる責任のあった我々の罪は万死に値するものです。事なかれ主義で生きたツケとして、次の時代を生きる子どもたちに国の借金など多大な負の遺産を残す愚かな日本をつくってしまいました。それぞれの不徳を省みて、我々政治家は今、心の底から猛省するべきときなのです。  我々現役世代の政治家は、古い仕組みを破壊するのにバブル経済崩壊後20年を要し、さらに政権交代などの新しい政治の仕組みができた今でさえ互いの足の引っ張り合いをして、官僚主導の政治から自立できず、夢と希望にあふれた明るい政治を実現できないでいるのです。もちろん反論もありましょうが、実際問題として、区民・国民の多くが政治に不信感を覚えているのは事実でしょう。確かに鳩山首相や小沢先生の問題など、政治とカネの問題を追及することも大切でしょう。しかし、その前に、まじめに税金を支払って国づくりを政治家に託してきた国民の努力を裏切って、膨大な借金をつくった責任と反省こそ、政治に携わる者たちに課せられた重大な問題ではないでしょうか。  古い政権下で権勢を振るっていた自民党を責めるのは簡単なことです。また、初めて政権を担当する民主党の稚拙さをやゆするのも容易でしょう。そして、すべてを役人のせいにして政治家の質の問題から論点をすりかえるのも実に簡単なことです。しかし、国民目線で見れば、与党・野党・そして中央省庁の役人、さらには我々のような地方議会の議員と自治体の役人、そのすべてが日本を堕落させた共犯者に見えているはずです。  国会中継でテレビに映る与党・野党の政治家、そして一緒に国会に座っている日本の中央省庁のお役人の皆さんが、テレビの前で国民に向かって、まずは一緒に土下座して謝罪することから始める謙虚さこそ、何より大人の常識的な対応として必要なことではないでしょうか。  最後に、台東区とゆかりの深い小説、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」の一節に次のような言葉があるので述べたいと思います。  「明晰な目的樹立、そしてくるいない実施方法、そこまでのことは頭脳が考える。しかし、それを水火の中で実施するのは頭脳ではない。性格である。平素、そういう性格をつくらねばならない。」この言葉をかみしめて、我々いぶきの会はことしも台東区議会において是々非々の立場で信じるところに従って、そしてしがらみのない立場で政治を行うことをお誓い申し上げ、新年初頭の一般質問とさせていただきます。本日はありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 堀越議員のご質問にお答えさせていただきます。  ご質問の第1は、新たな電子申請システムの構築についてでございます。  現在、区で受け付けている電子申請システムには、都と区市町村が共同設置した「東京電子自治体共同運営協議会」が運営するシステムと、区が独自で運営するシステムの2種類がございます。協議会のシステムでは、乳がん検診の申し込みなど24項目の手続に係る申請を行うことができ、区独自のシステムについては、公共施設の予約が可能となっております。  協議会のシステムにおいてはASP形式を採用し、議員ご指摘のように、導入や運用に係る経費の削減に一定の効果があったものと考えております。  次に、公金のクレジット決済の導入についてでございます。  一部の地方自治体におきましては、各種申請に伴う公金収納についてクレジット決済やマルチペイメントといった新たな収納手段を導入し、ワンストップサービスによる住民の利便性向上を図っているところでございます。  電子申請に係る手数料や使用料などの公金のクレジット決済につきましても、区民ニーズの多様化、利便性の向上の観点から、今後、導入の必要性が一層高まるものと認識いたしております。電子申請システムのクレジット決済機能の追加につきましては、協議会に提案してまいります。  また、区が独自で運営している公共施設予約システムに関するASP形式の利用とクレジット決済機能の導入につきましては、システムの再構築の時期に合わせ、今後、費用対効果などを考慮しながら検討してまいります。  ご質問の第2は、小学校復活についてでございます。  まず、区内各地域の小学校の教育以外での活用についてでございます。  小学校は、義務教育として小学校教育を行う場であると同時に、盆踊りなどの町会行事やコミュニティ委員会を初めとする地域の皆様に学校開放を行うなど、地域活動の拠点として利用されております。また、災害時には避難所として地域の防災拠点にも位置づけているところでございます。  次に、小学校の新設についてでございます。  区立小学校につきましては、現在の児童数の状況から、新たに設置する予定はございません。しかしながら、小学校には、議員ご指摘のとおり、教育施設としてだけではなく、さまざまな役割があることは私も認識いたしております。「にぎわい いきいき したまち台東」の将来像の実現に当たりましては、各地域で地域社会の活性化や住民が連帯した活力あるまちづくりを進めるための拠点施設を整備することも貴重なご提案であると考えております。  今後とも、地域の力と資源を生かし、信頼と支え合いの地域社会や、にぎわいのあるまちづくりを実現できるよう努めてまいります。 ○議長(鈴木茂 さん) 3番石塚猛さん。          (3番石塚 猛さん登壇)(拍手) ◆3番(石塚猛 さん) 台東区自民党の石塚猛であります。与えられた時間内でしっかり質問いたしますので、区長並びに教育長、よろしくお願いいたします。  まず、地方分権・自治制度について質問をさせていただきます。  まず、地方分権及び自治制度に関して区長にお尋ねいたします。  民主党政権はマニフェストにおいて地域主権を掲げ、地方分権改革を一丁目一番地の施策と位置づけております。今回の通常国会においては、地方分権改革推進計画に基づく関連法案の改正及び国と地方の協議の場の設置に関する法律を提案されると聞いております。これら2つの改正については、地方分権改革推進計画は、安倍内閣のときに設置された地方分権改革推進委員会の勧告を踏まえた内容となっており、また、国と地方の協議の場の設置に関しては、全国知事会を初めとする地方6団体の強い要望に沿ったものであると認識しております。昨年の総選挙前、人気首長のご機嫌取りのように地方分権を唱え始めた現政権が真に地方分権のために努力されることは大変重要なことであり、その実現への努力を多とするものであります。  しかし、そこで重要なのは、一方的な改革ではなく、地方の意見に耳を傾け、双方で十分な議論を行った上での改革でなければならないということであります。現政権の目玉政策である子ども手当の財源を地方に求めるようなことは全く理解のできないことであり、今後あってはならないことであると思います。  さらに、現行政府の施策の中に、これだけは承服しかねる施策があります。選挙のときのマニフェストにも書かれていない施策であります。それは、外国人への地方参政権の付与の問題についてであります。この施策は憲法違反ではないでしょうか。そもそも参政権は国民に与えられたものであり、国民とは、日本国籍を持つ人であります。地方の政治は紛れもなく参政権の一部であります。まして、民主党さんの言葉によれば、地域主権国家であり、国の政治の半分以上を地方に任せるとされているではありませんか。決して長く日本で生活されている方々を差別するつもりは全くありませんが、参政権は国民のみに与えられた最も基本的な権利であります。巷間多くの学識経験者から反対の声が上がっております。今国会への提出を目指されているようですが、こうした地方の基本的な問題を地方の意見を聞かずに決めようとされるのは、みずからの地域主権という公約を否定するつもりではないでしょうか。  こうした状況のもとでは、国と地方の協議の場は大きな意義を持つものであろうと思います。現在、国と地方6団体の代表による制度の協議が行われている段階ですので、より有効な案がまとまることを期待しております。しかしながら、今後さまざまな分野において新たな議論が交わされることを考えるとき、区としてもその事態に対応できる体制づくりと心構えが必要であります。  そこで区長にお伺いいたします。  区長は、現在、新政策対応本部会議を立ち上げ、最初の体制づくりを迅速に行ったことは評価するところであります。その中でどのような議論がされ、どう対応されてきたのかご披瀝ください。  また、今後も暴走しがちな現政権の動きを注視していく必要性はますます高まっていくと予想されます。今後の対応をどのようにお考えか、お伺いいたします。  次に、生活保護と貧困について、区長と教育長にお尋ねいたします。  まず、貧困対策について。  厳しい経済状況にあって、我が区の生活保護率が40パーミルを超えております。23区中1位であり、全国では大阪市に次いで2位であります。負担割合を見ますと、国が4分の3、74.7%、都と区が4分の1の負担です。生活保護者は6,753人になんなんとしております。予算も190億円近い規模になっておりまして、区役所の人件費総額を超える金額を区が支出していると伺いました。台東区にとって今、貧困という事態が改めて大きな課題となっていると私は強く感じた次第であります。  このような事態に対して、今、民主党政権がやっていることは、国民に金銭を直接給付する政策に偏っており、経済全体が回っていくような、ダイナミックで長期的な視点に欠けております。このままでは景気はますますひどい状況になるのではないでしょうか。そして、そのようなことでは台東区の貧困対策には有効な手だてとは言えないのであります。  私が思いますに、この対策の根本は、就職口をふやし、所得をふやし、来年度予算も見通せないような一時しのぎの「ばらまき対策」を続けることではありません。不況に負けないで、働く意欲のある区民に手を差し伸べ、将来を見据えて、台東区において豊かな地域社会をつくっていくことが今求められていると思います。また、区行政の中でも各事業を通じて努力しておりますが、景気悪化の中、雇用の創出と維持という難題に取り組まれている区長の基本的な考え方をお伺いします。  次に、貧困の継承について、教育長にお尋ねいたします。  先日の保健福祉委員会で生活保護の状況について報告がありました。台東区の生活保護受給世帯で孫子世代にまで生活保護が継承される事例が出ているという報告がありました。びっくりいたしました。すなわち、経済的に困窮している家庭では、なかなか教育費に所得を振り向けることができないという実態がそこにあると思うのであります。このため、子どもたちは低い学歴に甘んじ、結果、大人になってから低い所得となり、貧困から抜け出せなくなるということです。  最近の独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、サラリーマンの生涯賃金は大卒で3億4,620万円、中卒では2億2,410万円と、その間には1億2,000万円もの差が存在しているそうです。このような悪循環により、子どもたちの世代に貧困が継承され、階層が固定化されることは私の大きく危惧するところであります。貧困階層が固定化されれば、地域全体の低下や社会不安にまで及ぶ大きな問題になるからであります。  そこで教育長にお尋ねいたします。  未来の台東区を担っていく子どもたちへの教育に対して、貧困の継承を防ぐためにどのように考え、今後どのように取り組んでいこうとしているか、お伺いいたします。  また、決算特別委員会における私の質問を契機として、他区の生活保護受給者の簡易宿泊所の利用に関して東京都が明文化して長期の滞在利用を禁じたとの報告がありました。うれしかったですね。区長を初め関係の方々に心から感謝を申し上げる次第であります。とともに、浅草北部地域のイメージアップ、とりわけ公衆トイレ、公園整備、清掃問題や地域の環境改善に一層努力していただきたいと切に要望いたします。  また、これら生活保護からの自立、脱却がどのようになっているか、お尋ねいたします。  次に、保育園の待機児童対策についてお尋ねいたします。  本区の昨年度の待機児童数は46人であり、これは23区では、待機児がゼロの千代田区を除く最少の数であります。これまで本区が認可保育園や認証保育所、保育ママなどの制度を適切に組み合わせることで保育需要に対応してきた努力の成果であると考えます。  しかしながら、待機児ゼロを目指すという大目標の達成をおろそかにしてはならないのであります。区民1人1人の実情に配慮しつつ、希望者の全入を目指していくことが使命でもあります。今定例会の子育て支援特別委員会に報告される台東区次世代育成支援地域行動計画の後期計画において、保育需要の伸びを予測しております。この計画によると、現状のままで何ら対策も講じなければ、平成26年度には入所待機児童の数が350人になると指摘しております。こうした保育需要が伸びている背景の一つには、幼児人口が増加している点もあります。区にとってはうれしいことではありますが、それに伴うインフラ整備は重要な責務でもあります。  来年度も待機児童の増加が危惧される中で、この4月から旧小島幼稚園の部分を活用して、臨時的にせよ小島保育室を設置されることは迅速な対応として高く評価するものであります。保護者の不安の解消に少なからず寄与するものと思います。  一方、認可保育園の整備は、平成19年第4回定例会の一般質問において我が党の和泉議員が、保護者の就労形態の変化などを考慮に入れて時代のニーズに即応した認可保育園を、と提言いたしました。区長も、整備は必要だ、と答弁されております。その後、策定された行政計画では、平成23年度に認可保育園を整備することが計画化され、その実現が待たれております。本区の土地事情や経済状況を考えると、なかなか難しい対策であります。特に待機児童が多い区南部地域での整備が多いものと考えます。しかし反面、それだけに期待も大きいものがあると言えます。現時点における見通しはいかがでしょうか、現在の状況をお伺いいたします。  さらにもう1点、具体的に提案させていただきます。  現在、東上野乳児保育園が入居している保健所の2階を開放していただいて、新たに3歳、4歳、5歳まで預かれるようにしていただきたいと思うのであります。乳児保育園に預けている親は、3歳からほかの保育園へ通わせるよりは、そのまま小学校入学まで同じ場所でと思うのは当然ではないでしょうか。また、これらについては民間の力を大いに活用するものと考えております。  以上、3項目にわたって区長並びに教育長に質問させていただきました。これで私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 石塚議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、地方分権・自治制度についてでございます。  まず、新政策対応本部会議についてでございます。  本部会議では、設置以降、マニフェストの分析や事業仕分けの結果に関する情報を収集し、区政への影響の把握と検証に努めてまいりました。本区の当初予算においても、政府の予算案決定を受け、本部会議で検討し、子ども手当の創設や税制改正など、できる限り反映したところでございます。  次に、今後の対応についてでございます。  国におきましては、障害者自立支援法や後期高齢者医療制度など、制度の改廃が予定されております。私は、その動向を注視していくとともに、引き続き情報収集に努め、迅速かつ適切に対応してまいります。  さらに、区民生活に密着した施策の充実が図られるよう、特別区長会や全国市長会を通じて国へ働きかけるとともに、基礎的自治体の長として区民福祉の向上に全力を傾注してまいります。  ご質問の第2は、生活保護と貧困についてでございます。  まず、貧困対策についてでございます。  貧困問題の解決方法は、就労促進により生活保護を必要とされる方を減らすことであり、議員ご指摘のとおり、生活保護を初めとする現金給付を中心とした政策だけでは解決できないものと考えております。  次に、生活保護における自立支援の状況についてでございます。  健康な稼働年齢層の生活保護受給者の自立に向け、ハローワークとの連携や就労支援事業により支援を行っているところでございます。その結果、就労実績は21年12月末で74件となり、収入増加による生活保護廃止件数は42件となっております。  本区の生活保護率の増加は大変憂慮されるところでございます。東京都では年末年始の生活総合相談実施を踏まえての国への緊急提案において、「国民の生存権的基本権を守るのは国の責務であることから、生活保護費を全額国の負担とする」よう要望しているところでございます。  今後とも、ハローワークとの連携による就労あっせんを初め、就労支援事業、雇用就業相談、母子自立支援プログラム策定事業や心身障害者就労支援等により、勤労意欲のある区民の就労支援に努めてまいります。  その他のご質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 石塚議員の貧困の継承についてのご質問にお答えをさせていただきます。
     文部科学省は、平成20年度の全国学力・学習状況調査で、就学援助を受けている割合の高い学校がその割合が低い学校よりも平均正答率が低い傾向があるという結果や、世帯年収と学力との間に一定の相関関係があるという専門家会議の委託調査の結果を発表いたしました。また、同時期にマスコミからは、家庭の経済的に厳しい状況は子どもにも受け継がれていくなどという報道もございました。従来から漠然とその可能性について取りざたされていたことがデータで裏づけられたわけでありますので、この事実を踏まえた取り組みも必要であると考えております。  平成19年1月の中央教育審議会答申には、我が国では「自分に自信がある子どもが国際的に見て少なく、学習や将来の生活に対して無気力であったり、不安を感じたりしている子どもが増加している」と、子どもたちの現状と課題についての報告もございます。  議員のご質問と同様に、教育委員会といたしましても、さまざまな環境にある子どもたちが将来への夢や努力することに対するあきらめが先行してしまうことに危惧を抱いていたところでございます。  学力の向上には、生活習慣や学習習慣の定着が何よりも大切であることはさまざまな分析からも既に明らかであります。したがって、子どもたちが将来に希望を抱き、実現するために意欲や忍耐力を持続し学業に集中していくには、教員の指導とともに日常の生活習慣や保護者とのかかわりなどが大変重要であります。  従来は、学校が保護者と子どもの生活について率直に意見交換や相談をして、相互に協力をしながら子どもの育成に取り組んでまいりました。しかし、親の就業形態や家庭環境などさまざまな理由から学校と保護者の信頼関係や協力関係を構築することが難しい場合もあり、結果として一部の子どもたちの学習意欲や学力には課題が見られます。このことは本区においても例外ではございません。改めて、すべての子どもたちの学力を向上させていくために目の前の子どもに何がしてやれるのか、また何をしなくてはならないのかを考える必要があるのではないかと考えております。  そこで、教育委員会といたしましては、今後とも各学校などでの授業や活動などを一層充実していくとともに、学習意欲や学力に課題のある子どもたちに対しましては、生活習慣や学習習慣の定着に向けた取り組みも検討してまいります。そして、すべての子どもたちが希望と意欲を持って学力向上に取り組めるよう努めてまいります。  次に、保育園の待機児童対策についてのご質問にお答えをさせていただきます。  まず、待機児童の今後の見通しについてでございます。  就学前児童の増加や女性の就業率の高まりなどにより、保育需要は今後とも増加傾向にあると考えております。議員ご指摘のように、このたび策定した次世代育成支援地域行動計画の後期計画では、平成26年度において約350人の定員が不足すると推計をいたしております。現時点でもさまざまな努力をいたしておりますけれども、このような状況を踏まえ、認可保育所を含めた区全体の保育所の整備計画を策定し、民間の活用も含め、今後とも計画的に整備を図り、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。  次に、東上野乳児保育園の受け入れ年齢枠の拡大についてでございます。  乳児のみならず、就学前まで同じ保育所での保育を望む最近の保育需要にこたえていくことは大変重要なことでございます。保育所の整備計画の策定に当たりましては、議員ご提案の場所も含め、鋭意検討してまいりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 32番木村肇さん。          (32番木村 肇さん登壇)(拍手) ◆32番(木村肇 さん) スカイツリー水辺サミットについてお伺いいたします。  平成24年に世界一の高さを目指して着々と建設されておりますが、毎日毎日見る中で、目を見張るものがございます。これができますと、観光客はツリー乗降客約500万人と予想され、今、浅草・浅草寺に3,000万人ほど来ておりますが、これを含めて4,000万人から5,000万人に観光客がなろうとしております。  そういう中で、東京都は隅田川から始まる「水の都」東京の再生を掲げ、隅田川ルネサンスのため実行プログラムを平成22年に策定して、それを10年の間に実行したい、こういうふうに発表されました。  全国各地にいろいろな繁華街がございますが、川辺に面している繁華街というのは浅草だけであります。それも金太郎あめ的な再開発をしなくて、そういう特徴を生かしていくまちづくりが非常に大事であります。  タワーが高くなるにつれて、周辺区の自治体も大変いろいろな角度から検討が始まりました。そういう中で、関係区、すなわち墨田、荒川、江東、中央、台東、この5区でサミットを立ち上げ、今後、予測される課題に取り組む必要があると思います。同時に、東京都の隅田川ルネサンスとも十分連携をしながら取り組んでいく必要があると思うのであります。  特に課題について4点ございます。  1つは、観光客5,000万人の受け入れであります。ややもすると、1区だけで全部いただきたい、こういう気持ちになることはわかるけれども、そうではなくて、関係区で5,000万人の観光客をどういうふうに還流をしていくか。そのために、関係する各区と連携をしながらやっていくことの大切さ、そういうものを改めて課題として取り組んでいく必要があると思うのであります。  第2は、交通網の整備であります。交通網といえば空、陸、川、いわば陸上、水上、上空です。これらを活用してやることが大事です。  空中の問題ですが、この間マンリー市に行ったときにシドニーにおりました。シドニーでは、90年前の橋の上にマッチ棒のような柱を立てて、そしてモノレールが走っているんですね。あれを見たときに、あ、宇宙船が走っている、こんな感じがしたわけであります。そういうふうな視点で、そういうものが空中にできないだろうか、こういうふうに思いました。  それからもう一つは、陸上の関係です。陸上は、エコの観点からいえば、電気自動車、電気バス、こういうものがこれからの時代だと思います。東京都は、そういう点では過去に路面電車の都電、そしてトロリーバスがございました。これらをもう一度レトロ調に復活して、空には未来、地上にはレトロ、こういうようなことをやってみてもいいのではないか。  それから、水上の関係です。隅田川ルネサンスとも関係していくために、関係区できっちりとした船着場をどうするのか、あるいはそういう整備をどういうようにやっていくのか、こういうことも非常に大事だと思います。特に羽田空港がハブ化されますと、24時間の体制になり、ますます水上の輸送は大切になってまいります。そういう点で、これからそういう問題にきちっと取り組んでいく必要があるのではないか。  もう一つは、観光客の受け入れです。自分の区だけに泊まってもらう、こういう発想はだめです。先ほど110万人と想定されていると言いますが、5,000万人なら1割ぐらい、500万人ですよ。こういうお客様に泊まっていただくためには、それぞれの区の持っている持ち味を生かしていく、それを生かすための連携をどうやっていくのか、そういうことをきちんと関係区で意思統一をしながらやっていくことも非常に大事だと思います。  最後に、私、ヨーロッパやオーストラリアに行ってみて、向こうのほうは道路カフェが結構活発ですよね。日本はないんですね。そういう点で、川辺が整備されてきますと、そのカフェをどういうふうに使うか。カフェで一杯飲みながら見るタワーなんて最高ですよ。そういうものをきちんとどういうふうにやっていくかという整備も大事だと思いますので、検討していただきたいと思います。  次に、幼稚園と保育園の格差是正であります。  区長は、就学前教育の充実という視点で幼稚園、保育園を一体的に推進し、義務教育への円滑化を図っていきたい、そのために教育委員会に保育行政の所管がえを発表したのであります。子どもにとって、幼稚園であろうと保育園であろうと、かかわっている先生方の人的環境あるいは使う施設の環境は平等・公平でなければなりません。それに近づけていくのが行政の仕事であり、それをきっちりチェックしていくのは皆さん方議会人であります。  所管がえする前までは、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、歴史的な発展の過程がありましたから、比べて差があることは余り意識しませんでした。今まではどちらかというと、保育園に対しては、待機ゼロを目指すために、人件費で行政が硬直化にならない中でいろいろな工夫を使いながら待機ゼロを目指していくのが我々の仕事でした。幼稚園のほうは、公私格差をどう縮めていくか、これが大きな課題で、そういう取り組みもしてまいりました。  しかし、教育委員会に持っていったならば、やはり区立保育園と幼稚園の差をどれだけ縮めていくかということは大きな仕事であります。区のほうでやらない限り、民間や私立のほうでは言えないんです。そういう立場から、区立だけについて検討したいと思います。  園数でいえば幼稚園が12、保育園が10、そして園児数でいえば841人対985人、職員数でいえば59人対179人であります。  施設の環境を見てみますと、まず、幼稚園のほうは1956年、幼稚園設置基準でスタートして、それ以後いろいろ法改正がございました。保育園のほうは1948年、児童福祉施設最低基準というものが発表されて、それからいろいろ展開しております。  まず、園舎の広さ。幼稚園は1学級180平米、台東区でいえば30人学級ですから1人6平米です。保育園は、園児1人3.3平米、2歳以上は1.98平米であります。  保育室と遊戯室、ランチルーム、幼稚園は全部ございます。保育園のほうは、1つの部屋で寝る、食べる、学ぶ、遊ぶ、これが同時にやられているのであります。  園庭と集会室を見てみますと、幼稚園はすべてございます。中には小学校の講堂や校庭を定期的に借りながら活動が活発であります。保育園のほうはないんです。せいぜい隣接の公園を活用しているのが実態であります。  図書関係についていいますと、幼稚園は図書室があるんです。そして、年間15万円。保育園のほうはないんです。図書コーナーすらないんです。そして、費用は雑費を含めて6万円であります。  ピアノとオルガン、情操教育にとって非常に大事です。幼稚園はピアノが各教室に1台ずつございます。それから、保育園はオルガンが各教室1台ずつあって、ピアノだけは1園1台なのであります。  遊具と教材についてはもっとひどいです。幼稚園のほうは多種多様な機能、本当に豊かです。それと比べて保育園のほうは幼稚園の20分の1ぐらいしかありません。いわばあてがいぶち的な感じがしてならないのであります。  それから、園外事業の関係ですが、幼稚園は、スクールバスで年2回、そして公的交通を使って園外保育が年五、六回あります。保育園のほうは、4歳、5歳はあります。バスも配置されています。しかし、それ以外は全くないのであります。  園長室、職員室、会議室はどうでしょうか。幼稚園は全部あります。保育園のほうは、1つの部屋で多機能活用をして何とかこなしているのが実態であります。  次に、人的環境、先生方の環境はどうでしょうか。まず、給与体系が違いますね。簡単にいえば、初任給が幼稚園は19万円、保育園は16万円、これがスタートです。それから、先生方の配置ですが、幼稚園は園長(課長級)1人、各クラス1人、アルバイト1人ですが、代休要員として6時間勤務講師しか派遣をされていないのが実態であります。保育園のほうは、園長、これは係長級1人、各クラス複数人が民間委託されておりますけれども、栄養士、給食調理あるいは用務1人、そして産休代行はすべてアルバイトで何とかつないでいるのが実態であります。  研修について見ますと、幼稚園は年間1人8万6,000円、年間を通して大学教授や専門講師を配置して、経験別、階層別にやっております。保育園のほうはたった4,000円しかないんです。だから、ほとんどやっていない。課主催の研修が2回ぐらい。  これらを踏まえて、すべての格差を洗い出すこと、是正のための幼保合同プロジェクトをつくること、解消するために短期、中期、長期の計画に取り組み、実施すべきだと思います。  職員採用にあたり幼保一体化するためには、何といっても職員採用のときに幼稚園教諭免許と保育士資格を両方持っていることを絶対条件としてこれから積み上げていくことが大事だと思いますが、答弁を求めて私の質問を終わります。(拍手) ○議長(鈴木茂 さん) ただいまの質問に対する答弁を求めます。  区長。          (区長吉住 弘さん登壇) ◎区長(吉住弘 さん) 木村議員のご質問にお答えいたします。  ご質問の第1は、水辺サミットについてでございます。  東京スカイツリー開業により、台東・墨田エリアはもとより、東京全域に国内外の目が向けられ、観光客の大幅な増加が見込まれます。観光客の増加は本区にとって大きなチャンスでございます。これを生かすため、各種の施策に積極的に取り組んでおります。  中でも隅田川とその水辺はタワービューも楽しんでいただける魅力的な空間となることから、浅草地域まちづくり総合ビジョンにおきまして、東参道・二天門通りの先の隅田川親水テラスに新防災船着場を整備し、平常時にも活用する計画を進めております。これにより、本区を含む隅田川流域内のさまざまな観光地を回遊していただくことも可能となります。  議員ご提案の水辺サミットは、隅田川流域の観光客の回遊性について、各区とともに検討を進める手法といたしまして有意義なことであると思っております。その実施に当たりまして、東京都は隅田川のにぎわいを取り戻す取り組みである「隅田川ルネサンス」を展開する予定であり、その中で推進組織を地元自治体とともに設置したいとの意向を示しておりますので、積極的に連携してまいります。  交通網の整備につきましても、私はスカイツリーとの回遊性の強化のためには交通アクセスの強化が必要と考え、取り組んでいるところでございます。既存の鉄道やバスを生かしながら、より魅力的な交通網を整備してまいります。  ご指摘のモノレールにつきましては、私もシドニーを訪れた際に乗車し、魅力的な都市型交通機関であると認識いたしておりますが、その導入につきましては、法令や町なかの建物との関係、経費などさまざまな課題がございます。また、都電につきましても、交通事情の変化により廃止された経緯から、その復活にはさまざまな課題がございます。こうした課題につきましては引き続き調査、検討を進めてまいります。  次に、船着場につきましては、平常時における舟運の強化を検討しておりますが、各区におきましても隅田川流域や内陸の河川への船着場の整備が進められております。そうした船着場との関係を生かした舟運の整備について、各区と共同で検討し、推進してまいります。舟運による羽田空港との連絡につきましては、本区といたしましても関係機関に実現を働きかけてまいります。  次に、宿泊施設の連携についてでございます。  本区には個性的な中小規模の宿泊施設が多数あり、その特色を生かした誘客に取り組んでおります。東京スカイツリーの開業を契機といたしまして、水辺の近隣区の宿泊施設が連携をしていくことは、観光客の多様なニーズにこたえる宿泊の選択肢を一層ふやし、広く水辺エリアの観光地としての魅力向上につながる有効な手段になると私も考えております。  今後、このような連携のもと、区を越えた観光コースの開発やプロモーションを行うなど、広いエリアでの観光客の回遊性向上にも取り組んでまいります。  次に、水辺のカフェテラスについてでございます。  諸外国では、水辺や通りの中のカフェが多く見られます。我が国でもさまざまな地域で設置されてきており、開放された空間での憩いは実に楽しいものであります。カフェテラスが隅田川の水辺に設置されれば、スカイツリーの姿や行き交う船を眺めながら快適な時間を過ごせるものと考えられますので、引き続き検討を進めてまいります。  その他のご質問については、教育長がお答えいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 教育長。          (教育長野田沢忠治さん登壇) ◎教育長(野田沢忠治 さん) 木村議員の幼稚園・保育園の格差是正についての質問にお答えをさせていただきます。  議員ご指摘のとおり、幼稚園と保育園は学校教育法と児童福祉法のそれぞれが別の制度として出発、発展してきた経緯があるため、施設の基準や職員の任用制度など、さまざまな違いがございます。区の現場においても違いがあることは十分承知をいたしております。  こうした点も踏まえ、幼稚園・保育園・こども園・小学校の連絡協議会やプロジェクトチームによる検討を進め、就学前の子どもの教育・保育の課題などの共通理解を図るための幼稚園長、保育園長の合同研修を進めるなど、就学前教育の充実に努めているところでございます。  そして、保育園の図書や楽器などの教材や遊具・備品などにつきましては、短期的な取り組みとして鋭意充実に努めているところでございます。  しかしながら、幼稚園教諭と保育士の給与などの人事制度につきましては、それぞれの職の根拠法令や歴史的経緯などに伴って、特別区共通事項となっております。新しく認定こども園制度がスタートしたことを受けまして、平成19年度から20年度にかけて特別区の人事担当課長会などで幼稚園教諭と保育士の人事制度や人材の有効活用などについて検討をした経緯がございます。しかし、各区の公立幼稚園に対する考え方や実態などに違いがあるため、現在のところ特段の進捗はない状況でございます。  今後も大事な課題の一つとして、議員ご提案の視点も踏まえ、国の子ども関連の政策を一体的に推進する子ども家庭省設置の動きなども注視をしながら検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(鈴木茂 さん) 以上で、一般質問は終了いたしました。  ────────────────────────────────────────── ○議長(鈴木茂 さん) これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。           午後 4時35分 散会            議長    鈴  木     茂            議員    石  塚     猛            議員    成  澤     敬 −106−...